2013年02月16日
沙織「バレンタイン!」麻子「だったな」
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:04:41.12 ID:3TFNdsNl0
沙織「今年も結局誰にも渡せなかったよ…」
麻子「何度目だ」
沙織「せっかく本命チョコつくったのに…」
麻子「相手もいないのになぜ本命チョコをつくる…」
沙織「いやー運命の出会いがあるかもしれないじゃん?」
沙織「歩いてたら偶然ぶつかってさ」
『あっ、これ落としましたよ』
『…いいです、貰ってください!』ダッ
『えっ?ち、ちょっと!』
『…綺麗な人だったな』
沙織「とかさ!」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:10:55.47 ID:3TFNdsNl0
麻子「…く」
麻子「…ククク…あーははっは!」
沙織「ひどい!笑わないでよ麻子ー!」
麻子「い、いや…すまん…」
麻子「最高のギャグだ沙織」
沙織「もー…」
麻子「しかし今年も多く貰ったな沙織」
沙織「えへへー友チョコってやつ?」
沙織「うれしいよねこういうの」
麻子「本命があるかもな」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:17:40.58 ID:3TFNdsNl0
沙織「まっさかー」
沙織「ウチは女子高だよ?」
麻子「ないとも限らないぞ」
麻子「あったらどうする?」
沙織「うーんと…もしあったら…」
沙織「困る」
麻子「…だよな」
沙織「あっ、もうこんな時間だ」
沙織「バイバイ、麻子」
麻子「バイバイ」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:25:38.68 ID:3TFNdsNl0
沙織「ただいまー」ガラッ
沙織「って誰もいないんだけどね」
沙織「あーあ、この私の特製本命チョコどうしようかな」
沙織(とりあえず冷蔵庫に入れとこ…)
沙織「さてと…うわホントにチョコ一杯だ…」
沙織「友情を感じられて嬉しいけど…どうしよこれ」
沙織「一気に食べると太るし…飽るし…」
沙織(なん日か分けて食べよう…)
沙織「これらも冷蔵庫にって…」
沙織「あれ?こんなチョコ貰ったっけ?」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:31:54.53 ID:3TFNdsNl0
沙織「これはみぽりんからの…」
沙織「これは華…」
沙織「これはゆかりんから…」
沙織「これは確か麻子からの…」
沙織「これは一年生の娘たちで…クラス仲間からのはこれ…」
沙織(あれっ?覚えがないなぁこのチョコ)
沙織(なんかちょっと豪華で…本命な感じ?)
沙織「ま、まさか私の隠れファンの男の子が密かにカバンに入れたとか!?」
沙織「やだもー!私ってばモテモテじゃん!」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:40:05.57 ID:3TFNdsNl0
沙織(どこの人かなー♪)
沙織(他校の人?いつの間に…)
沙織「よしっ!開けてみよう!」
パカッ
沙織「おおっ、まさに高級品って感じ!」
沙織(ラブレター入ってないかな…?)
沙織「…ええっ!?うそ!?」
沙織(ほ…本当に入ってるよ…)
沙織「き…緊張する~…」
沙織「よ…読んでみよ…」パラッ
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:50:25.02 ID:3TFNdsNl0
沙織「………」
沙織「…………」
沙織「……………」
沙織「ら、ラブレターだよこれー//////!!!」
沙織「きゃー…////」
沙織「いやぁー…/////」
沙織(どうしよドキドキがとまんない…)
沙織(な、なにすればいいかわかんないよー!!)
沙織「あ…明日みんなに相談しよう…」
沙織「そうしよう…」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:57:50.01 ID:3TFNdsNl0
翌朝。
沙織「おはよ゛ー…みぽりん…」
麻子「zzz…」
みほ「お、おはよう武部さん…」
みほ「どうしたの?げ、元気ないね…」
沙織「昨日眠れなくてさ…」
沙織「後でみんなに相談したいことがあるの…」
沙織「戦車道の練習終わった後に話すね…」
みほ「う、うん」
みほ(クマできてる…)
沙織「お…重い…ちょっとは自分で立ってよ麻子ー」
麻子「zzz…」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:04:14.79 ID:3TFNdsNl0
みほ「ええっ!!?」
華「沙織さんが!!?」
優花里「ラブレターですか!!?」
沙織「うん…」
沙織「って三人ともそんなに驚かなくても…」
みほ「あっ…ごめん」
優花里「す、すみません武部殿…」
華「自分で昔書いたのを見つけたとかですか?」
沙織「華ー…」
華「冗談ですよ」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:10:01.11 ID:3TFNdsNl0
沙織「だから昨日ドキドキして一晩中眠れなくてさ…」
沙織「……でも」
沙織「でもでも!」
沙織「私にもついにモテ期が来たってやつかな!!」
みほ「武部さん!?」
優花里「武部殿が急に元気になりました!」
沙織「よっしゃー!テンション上がってきたよ!!」
華「モテ期が来たって…」
華(いままではモテてないって自覚があったんですね…)
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:16:32.71 ID:3TFNdsNl0
沙織「で、これがそのラブレター」
みほ「ええと…」
優花里「これは…」
優花里「まごうことなき恋文です!」
優花里「武部殿への愛が書かれていますよ!」
みほ「…////」
沙織「やっぱりは、恥ずかしい…/////」
華「あら?でもこの手紙」
麻子「差出人の名が書かれてないな」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:24:26.22 ID:3TFNdsNl0
沙織「よしっ!この本命チョコをその人に渡しにって…」
沙織「え…?」
沙織「あれ…名前書かれてないの…?」
沙織「ホントだ…」
華「いままで気づかなかったんですか?」
華「一番大事なことですよ?」
沙織「いやーあはは…舞い上がりすぎちゃって…」
沙織「いま初めて気づいたよ…」
優花里「これでは返事ができませんね…」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:32:16.57 ID:3TFNdsNl0
みほ「武部さん、その手紙が入ってたチョコはいつ貰ったの?」
みほ「そのときに顔を見たはずじゃ…」
沙織「それがね、覚えがないんだー…」
沙織「なんかいつの間にかみんなのチョコに混じってた感じでさ」
華「沙織さん…もしかして…」
華「自作自演で自分にそのチョコを…」
沙織「するか!いくらなんでも空しすぎるよ!!」
優花里「手紙を書いてる時、うっかり名前を書き忘れたのでしょうかね?」
沙織「緊張してたのかな?おちゃめな人////」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:43:10.50 ID:3TFNdsNl0
みほ「多分その人も、名前を書き忘れたことに気づくんじゃないかな」
優花里「きっとまた武部殿にアプローチを仕掛けるはずです!」
華「そのときがチャンスですわ」
沙織「なるほど…その通りだね!」
沙織「よし、私待つよ!」
沙織「いつまでも待つよ!」
沙織「そろそろ遅くなってきたね」
沙織「みんな話に付き合ってくれてありがとう!」
沙織「じゃあね!」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:46:41.43 ID:3TFNdsNl0
休日。
沙織「フンフーン♪」
麻子「嬉しそうだな、沙織」
沙織「モチロン!」
沙織「はあ…楽しみだな~」
沙織「いつ逢えるんだろうな~」
沙織「この本命チョコもつくった甲斐があったよ!」
麻子「…意地悪なこと言っていいか」
沙織「なに?」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:58:08.81 ID:3TFNdsNl0
麻子「気づかないうちにチョコが入ってたと言ったな」
沙織「うん、そだよ?」
麻子「私たちは登校して帰宅する毎日だ」
麻子「そんな私たちのカバンが無防備なのは、学校にいるときぐらいしかないんじゃないのか?」
沙織「ど…どういうこと麻子?」
麻子「私たちの通う高校は大洗女子学園」
麻子「つまり…女子からのチョコじゃないのか、それ」
沙織「…」
沙織「私が…カバンぶら下げて下校してるときにこっそりと入れたとか…?」
麻子「そのくらいの距離に男が近づいたなら絶対意識するだろ、お前」
沙織「…」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:07:18.44 ID:3TFNdsNl0
沙織「…ち」
沙織「違うもん!」
沙織「絶対に違うもん!」
沙織「私って毎日隙だらけだし!」
沙織「チョコ入れるくらい簡単だよ!」
沙織「いつか渡してくれた運命の人がまた私のところにくるはずだもん!!」
麻子「…そうか」
麻子「その運命の人が女じゃなければいいな」
麻子「まあ、気長に待つといい」
沙織「麻子のバカ!」
沙織(来るもん…来てくれるよね…?)
沙織(女の子だったら…いやいやそれはない!)
沙織(ないもん!)
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:15:44.24 ID:3TFNdsNl0
一日目。
沙織「よし!戦車道終わり!」
沙織「これから下校!」
沙織「逢いに来てくれるかな~楽しみだな~」
優花里「武部殿幸せそうですね~」
みほ「うん、早く手紙の人が会いに来てくれるといいね!」
華「どんな方でしょうか、わたくし興味があります」
沙織「ふふん、みんなにも紹介してあげるからね!」
沙織「バイバイ!」
麻子「どうせ来ないと思うし、もしくは来てもおん…」
沙織「うっさい!」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:22:18.12 ID:3TFNdsNl0
沙織(歩こう歩こう~!)
沙織(ゆっくりゆっくりとね!)
テクテクテクテク
沙織(忘れずにチョコ渡さないとね…)
沙織(オイシイって言ってくれるかな~)
テクテクテクテク
沙織(学校からも離れてきたし)
沙織(そろそろ逢いにきてくれてもいいんだよー)
テクテクテクテク
沙織(シャイなのかな?)
沙織(そういうのも可愛いけど、あまり女の子を待たせちゃダメだよ?)
テクテクテクテク
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:27:12.03 ID:3TFNdsNl0
沙織(おかしい…)
沙織(来ない…)
テクテクテクテク
沙織「あっ…」
沙織「ついちゃった…」
沙織「…」
沙織「ま、まあまだ一日目だしね!」
沙織「名前のこと気づかなくてもしょうがないよね!」
沙織「明日があるさ!」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:33:38.95 ID:3TFNdsNl0
二日目。
沙織「ふふふ…今日こそは!」
杏「なに?武部ちゃんなんかあったの?」
沙織「会長!こういうことがあってですね…」カクカクシカジカ
杏「へえーよかったじゃん!」
杏「ファイト~」
沙織「ありがとうごさいます!」
桃「…ふん、下らん」
桃「腑抜けるなよ武部…って」
杏「もう行っちゃったね、かわしまー」
麻子「…懲りないやつだな」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:39:37.77 ID:3TFNdsNl0
沙織(めぐり~あえたね~♪)
沙織(まっていた~うんめいのひとに~♪)
テクテクテクテク
沙織(いつでも準備オッケーですよ~)
沙織(カモン!私の運命の人!)
テクテクテクテク
沙織(学校からも離れてきたよー)
沙織(ウチの生徒は周りにいないよー)
テクテクテクテク
沙織(実際に会ったらなんて言おうかな?)
沙織(考えただけで緊張しちゃう~)
テクテクテクテク
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:42:35.57 ID:3TFNdsNl0
テクテクテクテク
テクテクテクテク
テクテクテクテク
テクテクテクテク
沙織「…ついちゃった」
沙織「なにやってるんだろ私…」
沙織「ま、まだ二日だしね…」
沙織「これから…だよね?」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:46:03.60 ID:3TFNdsNl0
三日目。
沙織「今日こそ…今日こそ…」
宇津木「先輩どうしたんですか?」
沙織「えへへ~こういうことがさ~」カクカクシカジカ
…
…
…
沙織「今日もダメ…か…」
四日目。
沙織「…うう…」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:48:19.27 ID:3TFNdsNl0
五日目。
沙織「…なんで」
六日目。
沙織「…私のこと、どうでもよくなったのかな…」
七日目。
沙織「……」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:54:42.53 ID:3TFNdsNl0
沙織「……」ドヨーン
みほ「た、武部さん元気だして!」
優花里「そ、そうですよ!」
華「今日こそ来るはずですわ!」
沙織「そう…かな」
沙織「そうかもね…」
沙織「いや…そんなことないよ…」
沙織「どうせいたずらだったんだ…」
沙織「バイバイみんな…」
みほ「武部さん…」
優花里「武部殿…」
華「沙織さん…」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:00:15.68 ID:3TFNdsNl0
沙織「……」
沙織(今日も無事何事もなく家に到着と…)
沙織「バカみたい…」
沙織(渡すつもりだったこのチョコ…)
沙織「こんな…」
沙織「こんなものなんて…」
沙織「捨てちゃえ…」
麻子「待て」
沙織「!?」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:08:00.20 ID:3TFNdsNl0
沙織「ま、麻子!?」
沙織「ど、どうしてここにいるの?」
麻子「どうしてだろうな」
沙織「どうしてって…私が聞きたいんだけど…」
沙織「う…ぐすっ…来なかった…」
沙織「今日も来なかったよ…」
麻子「…いつか気づくと思ったんだが」
麻子「…これ以上は可哀想だな」
沙織「なに言ってるのさ…意味わかんないよぉ…」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:13:22.44 ID:3TFNdsNl0
麻子「…そのチョコ捨てるのか?」
沙織「…うん」
沙織「どうせもう来ないし…」
沙織「もういらない…」
麻子「じゃあその本命チョコ、私にくれ」
沙織「え?」
麻子「いや…くれというよりはお返ししてくれだな」
沙織「お返しって…」
沙織「麻子とはもう友チョコ交換しあったよ…」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:23:59.42 ID:3TFNdsNl0
麻子「…」
麻子「ばーか」
沙織「な、なんで麻子にバカって言われなくちゃいけないの!!」
麻子「沙織はこういう時どうする?」
麻子「沙織には好きな人がいました」
麻子「バレンタインデー…好意を伝えるチャンス」
麻子「ですが結局恥ずかしくて義理しか渡せませんでした」
麻子「せっかく本命のチョコをもってきたのに」
麻子「後悔して後悔した後…沙織はどうする?」
沙織「どう…って」
沙織「そのときになってみないと…わからない、かな」
沙織「なんでいきなりそんなこと聞くの麻子…?」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:33:20.93 ID:3TFNdsNl0
麻子「どうしてだろうな」
沙織「もういい」
麻子「チョコは貰うぞ」
沙織「あっ、こら!」
麻子「…うん」モグモグ
麻子「オイシイな」
沙織「もー…」
沙織「…でも、アリガト」
沙織「なんか気が楽になった」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:43:20.74 ID:3TFNdsNl0
麻子「よかったな」
麻子「私に感謝しろよ」
沙織「調子にのるな!」
麻子「冗談だ」
麻子「…ごめんな、沙織」
麻子「ずっと会いに来なくて」
麻子「私も恥ずかしかったんだ」
沙織「えっ麻子?」
沙織「会いに…?」
沙織「恥ずかしいって…?」
麻子「…さっきの質問だけどな」
麻子「私だったらこっそり本命チョコをその人のカバンに入れておく」
麻子「バイバイ、沙織」
沙織「え…ま、待ってよ麻子!」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:57:38.98 ID:3TFNdsNl0
沙織「麻子…」
沙織「そういえば手紙…」
沙織(浮かれてて気づかなかった…)
沙織(名前なんて…必要なかったんだ)
沙織「これ…麻子の字だ」
――――――――――――――――――――――――…
沙織「ウチは女子高だよ?」
麻子「ないとも限らないぞ」
麻子「あったらどうする?」
沙織「うーんと…もしあったら…」
沙織「困る」
麻子「…だよな」
…――――――――――――――――――――――――
沙織「麻子……」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 19:14:09.70 ID:3TFNdsNl0
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
沙織「よし!今日も楽しく戦車道!」
みほ「た、武部さん?」
沙織「いやー心配かけてごめんねみぽりん!」
沙織「結局アレ、イタズラだったんだ」
沙織「だけどいつまでもくよくよしてられないしね!」
沙織「乙女は精神的に強くないとね!」
沙織「ねっ、麻子!」
麻子「あ、ああ…」
優花里「おおっ!さすがです武部殿!」
華「なんかいつも以上に素敵ですわ沙織さん!」
みほ「そうだったんだ…」
みほ「うん、武部さんが元気になってくれてよかった!」
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 19:19:36.94 ID:3TFNdsNl0
麻子「………」
麻子(沙織…結局気づかなかったのか)
麻子(いや…気づいた上でいつものようにふるまって…)
麻子(私ともいままでどおりに…)
麻子(…どっちにしろ沙織と私はこんな関係が一番…だよな)
沙織「どうしたの、麻子?」
麻子「いや…なんでもない」
沙織「よろしく頼むよウチのエース!」
麻子「ああ…」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 19:26:10.79 ID:3TFNdsNl0
沙織「お疲れみんなー!」
沙織「バイバイ、明日も頑張ろうね!」
みほ「さようなら武部さん」
優花里「はい!頑張りましょう武部殿!」
華「ふふっ、すっかり元通りですね沙織さん」
麻子「……」
優花里「あれ?どうかしましたか冷泉殿?」
麻子「なんでもない」
麻子「じゃあな、明日もよろしくたのむ」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 19:31:15.22 ID:3TFNdsNl0
麻子(沙織…)
麻子(これで…これでよかったんだよな)
麻子(私と沙織はこれまでどおり…)
麻子(それで…いいんだ)
麻子「ただいま…」
麻子「って誰もいないんだが」
麻子「さて…晩飯の用意でも」
麻子「あれ?私の鞄にこんなものあったか…?」
麻子「…」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 19:49:24.70 ID:3TFNdsNl0
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
沙織「あっ、麻子」
沙織「こんなとこで会うなんて偶然だね」
麻子「偶然だな」
沙織「なんか手紙でもよんだ?」
麻子「ああ」
麻子「名前は書かれてなかったけど差出人はすぐわかった」
沙織「…ふふ」クスクス
麻子「…くくっ」クスクス
沙織「あはは、美味しかった?」
麻子「前より美味しかった」
沙織「嬉しいな」
麻子「私も…嬉しい」
沙織「前の質問への答えだけどね…」
沙織・麻子「「私だったらこっそり本命チョコをその人のカバンに入れておく」」
おしまい
沙織「今年も結局誰にも渡せなかったよ…」
麻子「何度目だ」
沙織「せっかく本命チョコつくったのに…」
麻子「相手もいないのになぜ本命チョコをつくる…」
沙織「いやー運命の出会いがあるかもしれないじゃん?」
沙織「歩いてたら偶然ぶつかってさ」
『あっ、これ落としましたよ』
『…いいです、貰ってください!』ダッ
『えっ?ち、ちょっと!』
『…綺麗な人だったな』
沙織「とかさ!」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:10:55.47 ID:3TFNdsNl0
麻子「…く」
麻子「…ククク…あーははっは!」
沙織「ひどい!笑わないでよ麻子ー!」
麻子「い、いや…すまん…」
麻子「最高のギャグだ沙織」
沙織「もー…」
麻子「しかし今年も多く貰ったな沙織」
沙織「えへへー友チョコってやつ?」
沙織「うれしいよねこういうの」
麻子「本命があるかもな」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:17:40.58 ID:3TFNdsNl0
沙織「まっさかー」
沙織「ウチは女子高だよ?」
麻子「ないとも限らないぞ」
麻子「あったらどうする?」
沙織「うーんと…もしあったら…」
沙織「困る」
麻子「…だよな」
沙織「あっ、もうこんな時間だ」
沙織「バイバイ、麻子」
麻子「バイバイ」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:25:38.68 ID:3TFNdsNl0
沙織「ただいまー」ガラッ
沙織「って誰もいないんだけどね」
沙織「あーあ、この私の特製本命チョコどうしようかな」
沙織(とりあえず冷蔵庫に入れとこ…)
沙織「さてと…うわホントにチョコ一杯だ…」
沙織「友情を感じられて嬉しいけど…どうしよこれ」
沙織「一気に食べると太るし…飽るし…」
沙織(なん日か分けて食べよう…)
沙織「これらも冷蔵庫にって…」
沙織「あれ?こんなチョコ貰ったっけ?」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:31:54.53 ID:3TFNdsNl0
沙織「これはみぽりんからの…」
沙織「これは華…」
沙織「これはゆかりんから…」
沙織「これは確か麻子からの…」
沙織「これは一年生の娘たちで…クラス仲間からのはこれ…」
沙織(あれっ?覚えがないなぁこのチョコ)
沙織(なんかちょっと豪華で…本命な感じ?)
沙織「ま、まさか私の隠れファンの男の子が密かにカバンに入れたとか!?」
沙織「やだもー!私ってばモテモテじゃん!」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:40:05.57 ID:3TFNdsNl0
沙織(どこの人かなー♪)
沙織(他校の人?いつの間に…)
沙織「よしっ!開けてみよう!」
パカッ
沙織「おおっ、まさに高級品って感じ!」
沙織(ラブレター入ってないかな…?)
沙織「…ええっ!?うそ!?」
沙織(ほ…本当に入ってるよ…)
沙織「き…緊張する~…」
沙織「よ…読んでみよ…」パラッ
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:50:25.02 ID:3TFNdsNl0
沙織「………」
沙織「…………」
沙織「……………」
沙織「ら、ラブレターだよこれー//////!!!」
沙織「きゃー…////」
沙織「いやぁー…/////」
沙織(どうしよドキドキがとまんない…)
沙織(な、なにすればいいかわかんないよー!!)
沙織「あ…明日みんなに相談しよう…」
沙織「そうしよう…」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 15:57:50.01 ID:3TFNdsNl0
翌朝。
沙織「おはよ゛ー…みぽりん…」
麻子「zzz…」
みほ「お、おはよう武部さん…」
みほ「どうしたの?げ、元気ないね…」
沙織「昨日眠れなくてさ…」
沙織「後でみんなに相談したいことがあるの…」
沙織「戦車道の練習終わった後に話すね…」
みほ「う、うん」
みほ(クマできてる…)
沙織「お…重い…ちょっとは自分で立ってよ麻子ー」
麻子「zzz…」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:04:14.79 ID:3TFNdsNl0
みほ「ええっ!!?」
華「沙織さんが!!?」
優花里「ラブレターですか!!?」
沙織「うん…」
沙織「って三人ともそんなに驚かなくても…」
みほ「あっ…ごめん」
優花里「す、すみません武部殿…」
華「自分で昔書いたのを見つけたとかですか?」
沙織「華ー…」
華「冗談ですよ」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:10:01.11 ID:3TFNdsNl0
沙織「だから昨日ドキドキして一晩中眠れなくてさ…」
沙織「……でも」
沙織「でもでも!」
沙織「私にもついにモテ期が来たってやつかな!!」
みほ「武部さん!?」
優花里「武部殿が急に元気になりました!」
沙織「よっしゃー!テンション上がってきたよ!!」
華「モテ期が来たって…」
華(いままではモテてないって自覚があったんですね…)
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:16:32.71 ID:3TFNdsNl0
沙織「で、これがそのラブレター」
みほ「ええと…」
優花里「これは…」
優花里「まごうことなき恋文です!」
優花里「武部殿への愛が書かれていますよ!」
みほ「…////」
沙織「やっぱりは、恥ずかしい…/////」
華「あら?でもこの手紙」
麻子「差出人の名が書かれてないな」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:24:26.22 ID:3TFNdsNl0
沙織「よしっ!この本命チョコをその人に渡しにって…」
沙織「え…?」
沙織「あれ…名前書かれてないの…?」
沙織「ホントだ…」
華「いままで気づかなかったんですか?」
華「一番大事なことですよ?」
沙織「いやーあはは…舞い上がりすぎちゃって…」
沙織「いま初めて気づいたよ…」
優花里「これでは返事ができませんね…」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:32:16.57 ID:3TFNdsNl0
みほ「武部さん、その手紙が入ってたチョコはいつ貰ったの?」
みほ「そのときに顔を見たはずじゃ…」
沙織「それがね、覚えがないんだー…」
沙織「なんかいつの間にかみんなのチョコに混じってた感じでさ」
華「沙織さん…もしかして…」
華「自作自演で自分にそのチョコを…」
沙織「するか!いくらなんでも空しすぎるよ!!」
優花里「手紙を書いてる時、うっかり名前を書き忘れたのでしょうかね?」
沙織「緊張してたのかな?おちゃめな人////」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:43:10.50 ID:3TFNdsNl0
みほ「多分その人も、名前を書き忘れたことに気づくんじゃないかな」
優花里「きっとまた武部殿にアプローチを仕掛けるはずです!」
華「そのときがチャンスですわ」
沙織「なるほど…その通りだね!」
沙織「よし、私待つよ!」
沙織「いつまでも待つよ!」
沙織「そろそろ遅くなってきたね」
沙織「みんな話に付き合ってくれてありがとう!」
沙織「じゃあね!」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:46:41.43 ID:3TFNdsNl0
休日。
沙織「フンフーン♪」
麻子「嬉しそうだな、沙織」
沙織「モチロン!」
沙織「はあ…楽しみだな~」
沙織「いつ逢えるんだろうな~」
沙織「この本命チョコもつくった甲斐があったよ!」
麻子「…意地悪なこと言っていいか」
沙織「なに?」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 16:58:08.81 ID:3TFNdsNl0
麻子「気づかないうちにチョコが入ってたと言ったな」
沙織「うん、そだよ?」
麻子「私たちは登校して帰宅する毎日だ」
麻子「そんな私たちのカバンが無防備なのは、学校にいるときぐらいしかないんじゃないのか?」
沙織「ど…どういうこと麻子?」
麻子「私たちの通う高校は大洗女子学園」
麻子「つまり…女子からのチョコじゃないのか、それ」
沙織「…」
沙織「私が…カバンぶら下げて下校してるときにこっそりと入れたとか…?」
麻子「そのくらいの距離に男が近づいたなら絶対意識するだろ、お前」
沙織「…」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:07:18.44 ID:3TFNdsNl0
沙織「…ち」
沙織「違うもん!」
沙織「絶対に違うもん!」
沙織「私って毎日隙だらけだし!」
沙織「チョコ入れるくらい簡単だよ!」
沙織「いつか渡してくれた運命の人がまた私のところにくるはずだもん!!」
麻子「…そうか」
麻子「その運命の人が女じゃなければいいな」
麻子「まあ、気長に待つといい」
沙織「麻子のバカ!」
沙織(来るもん…来てくれるよね…?)
沙織(女の子だったら…いやいやそれはない!)
沙織(ないもん!)
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:15:44.24 ID:3TFNdsNl0
一日目。
沙織「よし!戦車道終わり!」
沙織「これから下校!」
沙織「逢いに来てくれるかな~楽しみだな~」
優花里「武部殿幸せそうですね~」
みほ「うん、早く手紙の人が会いに来てくれるといいね!」
華「どんな方でしょうか、わたくし興味があります」
沙織「ふふん、みんなにも紹介してあげるからね!」
沙織「バイバイ!」
麻子「どうせ来ないと思うし、もしくは来てもおん…」
沙織「うっさい!」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:22:18.12 ID:3TFNdsNl0
沙織(歩こう歩こう~!)
沙織(ゆっくりゆっくりとね!)
テクテクテクテク
沙織(忘れずにチョコ渡さないとね…)
沙織(オイシイって言ってくれるかな~)
テクテクテクテク
沙織(学校からも離れてきたし)
沙織(そろそろ逢いにきてくれてもいいんだよー)
テクテクテクテク
沙織(シャイなのかな?)
沙織(そういうのも可愛いけど、あまり女の子を待たせちゃダメだよ?)
テクテクテクテク
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:27:12.03 ID:3TFNdsNl0
沙織(おかしい…)
沙織(来ない…)
テクテクテクテク
沙織「あっ…」
沙織「ついちゃった…」
沙織「…」
沙織「ま、まあまだ一日目だしね!」
沙織「名前のこと気づかなくてもしょうがないよね!」
沙織「明日があるさ!」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:33:38.95 ID:3TFNdsNl0
二日目。
沙織「ふふふ…今日こそは!」
杏「なに?武部ちゃんなんかあったの?」
沙織「会長!こういうことがあってですね…」カクカクシカジカ
杏「へえーよかったじゃん!」
杏「ファイト~」
沙織「ありがとうごさいます!」
桃「…ふん、下らん」
桃「腑抜けるなよ武部…って」
杏「もう行っちゃったね、かわしまー」
麻子「…懲りないやつだな」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:39:37.77 ID:3TFNdsNl0
沙織(めぐり~あえたね~♪)
沙織(まっていた~うんめいのひとに~♪)
テクテクテクテク
沙織(いつでも準備オッケーですよ~)
沙織(カモン!私の運命の人!)
テクテクテクテク
沙織(学校からも離れてきたよー)
沙織(ウチの生徒は周りにいないよー)
テクテクテクテク
沙織(実際に会ったらなんて言おうかな?)
沙織(考えただけで緊張しちゃう~)
テクテクテクテク
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:42:35.57 ID:3TFNdsNl0
テクテクテクテク
テクテクテクテク
テクテクテクテク
テクテクテクテク
沙織「…ついちゃった」
沙織「なにやってるんだろ私…」
沙織「ま、まだ二日だしね…」
沙織「これから…だよね?」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:46:03.60 ID:3TFNdsNl0
三日目。
沙織「今日こそ…今日こそ…」
宇津木「先輩どうしたんですか?」
沙織「えへへ~こういうことがさ~」カクカクシカジカ
…
…
…
沙織「今日もダメ…か…」
四日目。
沙織「…うう…」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:48:19.27 ID:3TFNdsNl0
五日目。
沙織「…なんで」
六日目。
沙織「…私のこと、どうでもよくなったのかな…」
七日目。
沙織「……」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 17:54:42.53 ID:3TFNdsNl0
沙織「……」ドヨーン
みほ「た、武部さん元気だして!」
優花里「そ、そうですよ!」
華「今日こそ来るはずですわ!」
沙織「そう…かな」
沙織「そうかもね…」
沙織「いや…そんなことないよ…」
沙織「どうせいたずらだったんだ…」
沙織「バイバイみんな…」
みほ「武部さん…」
優花里「武部殿…」
華「沙織さん…」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:00:15.68 ID:3TFNdsNl0
沙織「……」
沙織(今日も無事何事もなく家に到着と…)
沙織「バカみたい…」
沙織(渡すつもりだったこのチョコ…)
沙織「こんな…」
沙織「こんなものなんて…」
沙織「捨てちゃえ…」
麻子「待て」
沙織「!?」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:08:00.20 ID:3TFNdsNl0
沙織「ま、麻子!?」
沙織「ど、どうしてここにいるの?」
麻子「どうしてだろうな」
沙織「どうしてって…私が聞きたいんだけど…」
沙織「う…ぐすっ…来なかった…」
沙織「今日も来なかったよ…」
麻子「…いつか気づくと思ったんだが」
麻子「…これ以上は可哀想だな」
沙織「なに言ってるのさ…意味わかんないよぉ…」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:13:22.44 ID:3TFNdsNl0
麻子「…そのチョコ捨てるのか?」
沙織「…うん」
沙織「どうせもう来ないし…」
沙織「もういらない…」
麻子「じゃあその本命チョコ、私にくれ」
沙織「え?」
麻子「いや…くれというよりはお返ししてくれだな」
沙織「お返しって…」
沙織「麻子とはもう友チョコ交換しあったよ…」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:23:59.42 ID:3TFNdsNl0
麻子「…」
麻子「ばーか」
沙織「な、なんで麻子にバカって言われなくちゃいけないの!!」
麻子「沙織はこういう時どうする?」
麻子「沙織には好きな人がいました」
麻子「バレンタインデー…好意を伝えるチャンス」
麻子「ですが結局恥ずかしくて義理しか渡せませんでした」
麻子「せっかく本命のチョコをもってきたのに」
麻子「後悔して後悔した後…沙織はどうする?」
沙織「どう…って」
沙織「そのときになってみないと…わからない、かな」
沙織「なんでいきなりそんなこと聞くの麻子…?」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:33:20.93 ID:3TFNdsNl0
麻子「どうしてだろうな」
沙織「もういい」
麻子「チョコは貰うぞ」
沙織「あっ、こら!」
麻子「…うん」モグモグ
麻子「オイシイな」
沙織「もー…」
沙織「…でも、アリガト」
沙織「なんか気が楽になった」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:43:20.74 ID:3TFNdsNl0
麻子「よかったな」
麻子「私に感謝しろよ」
沙織「調子にのるな!」
麻子「冗談だ」
麻子「…ごめんな、沙織」
麻子「ずっと会いに来なくて」
麻子「私も恥ずかしかったんだ」
沙織「えっ麻子?」
沙織「会いに…?」
沙織「恥ずかしいって…?」
麻子「…さっきの質問だけどな」
麻子「私だったらこっそり本命チョコをその人のカバンに入れておく」
麻子「バイバイ、沙織」
沙織「え…ま、待ってよ麻子!」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 18:57:38.98 ID:3TFNdsNl0
沙織「麻子…」
沙織「そういえば手紙…」
沙織(浮かれてて気づかなかった…)
沙織(名前なんて…必要なかったんだ)
沙織「これ…麻子の字だ」
――――――――――――――――――――――――…
沙織「ウチは女子高だよ?」
麻子「ないとも限らないぞ」
麻子「あったらどうする?」
沙織「うーんと…もしあったら…」
沙織「困る」
麻子「…だよな」
…――――――――――――――――――――――――
沙織「麻子……」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 19:14:09.70 ID:3TFNdsNl0
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
沙織「よし!今日も楽しく戦車道!」
みほ「た、武部さん?」
沙織「いやー心配かけてごめんねみぽりん!」
沙織「結局アレ、イタズラだったんだ」
沙織「だけどいつまでもくよくよしてられないしね!」
沙織「乙女は精神的に強くないとね!」
沙織「ねっ、麻子!」
麻子「あ、ああ…」
優花里「おおっ!さすがです武部殿!」
華「なんかいつも以上に素敵ですわ沙織さん!」
みほ「そうだったんだ…」
みほ「うん、武部さんが元気になってくれてよかった!」
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 19:19:36.94 ID:3TFNdsNl0
麻子「………」
麻子(沙織…結局気づかなかったのか)
麻子(いや…気づいた上でいつものようにふるまって…)
麻子(私ともいままでどおりに…)
麻子(…どっちにしろ沙織と私はこんな関係が一番…だよな)
沙織「どうしたの、麻子?」
麻子「いや…なんでもない」
沙織「よろしく頼むよウチのエース!」
麻子「ああ…」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 19:26:10.79 ID:3TFNdsNl0
沙織「お疲れみんなー!」
沙織「バイバイ、明日も頑張ろうね!」
みほ「さようなら武部さん」
優花里「はい!頑張りましょう武部殿!」
華「ふふっ、すっかり元通りですね沙織さん」
麻子「……」
優花里「あれ?どうかしましたか冷泉殿?」
麻子「なんでもない」
麻子「じゃあな、明日もよろしくたのむ」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 19:31:15.22 ID:3TFNdsNl0
麻子(沙織…)
麻子(これで…これでよかったんだよな)
麻子(私と沙織はこれまでどおり…)
麻子(それで…いいんだ)
麻子「ただいま…」
麻子「って誰もいないんだが」
麻子「さて…晩飯の用意でも」
麻子「あれ?私の鞄にこんなものあったか…?」
麻子「…」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 19:49:24.70 ID:3TFNdsNl0
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
沙織「あっ、麻子」
沙織「こんなとこで会うなんて偶然だね」
麻子「偶然だな」
沙織「なんか手紙でもよんだ?」
麻子「ああ」
麻子「名前は書かれてなかったけど差出人はすぐわかった」
沙織「…ふふ」クスクス
麻子「…くくっ」クスクス
沙織「あはは、美味しかった?」
麻子「前より美味しかった」
沙織「嬉しいな」
麻子「私も…嬉しい」
沙織「前の質問への答えだけどね…」
沙織・麻子「「私だったらこっそり本命チョコをその人のカバンに入れておく」」
おしまい
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■コメント
[名無しさん]
まこさおはやっぱりいいなー
幼馴染最高
幼馴染最高
[名無しさん]
最後のちょっとした仕返しがかわいいな
幼馴染ですもの最高に決まってますわ
幼馴染ですもの最高に決まってますわ
■コメント
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