縁「唯ちゃんを監禁しちゃった」

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4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 20:56:01.01 ID:vetVUynJ0

-放課後-


縁「唯ちゃん、かえろーかえろー」

唯「あれ、ゆずこは?」

縁「ゆずちゃんは、なんか新しい本の発売日ーとかでチャイム鳴ってすぐ出て行ったよ」

唯「あいつはほんと、そういう熱意を別に向けたら、もっとマシな人間になるのにな」

縁「でも、ゆずちゃんらしいよー」

唯「急ぎすぎて事故にあわなきゃいいけど……心配だな」

縁「……」

唯「ああ、じゃあ二人で帰ろうか」

縁「うんっ!」


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 21:03:13.05 ID:vetVUynJ0

縁「ねーねー、唯ちゃん」

唯「ん?」

縁「こうやって、二人だけで帰るの久しぶりだね!」

唯「んー、言われてみれば確かに。最近は三人で帰ることが多かったからなあ」

縁「うんうん」

唯「まあ、ゆずこがいないと静かでいいな」

縁「んー、わたしとだけじゃ、つまらないかな?」

唯「そんなことないよ。騒がさ二分の一になって、ちょうどいいかなって」

縁「えへへー、ほめられたー」

唯「念のために言っとくけど

縁「んー?」

唯「褒めてないから」

縁「えへへ」


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 21:10:37.83 ID:vetVUynJ0

縁「たーんたーんたぬきのキンチョールー」

唯「なにその歌」

縁「えー、なんだろうね」

唯「また思いつきか……そんなふらふらしてるとまた転ぶぞ」

縁「だーいじょーぶだよー」

ぶろろろろろっ

唯「……って! ゆかり、危ない!」

縁「えっ」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 21:17:16.20 ID:vetVUynJ0

「あぶねーぞ、気をつけろ!!」

ぶろろろろろっ

唯「……」

縁「……」

唯「なんだよ、あの運転! こんな道幅の狭いところで……」

縁「……」

唯「ゆかり、大丈夫? 怪我してない?」

縁「……えっ、あ……うん、だいじょうぶ……だよ」

唯「ほんとに?」

縁「うん」


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 21:24:17.73 ID:vetVUynJ0

唯「私が途中で気づいたから良かったけど……一歩間違えたらどうなってたか」

縁「……」

唯「気をつけないと駄目だぞ、ゆかり」

縁「うん、ごめんね、唯ちゃん。それにありがとうね」

唯「まあ、今後こういうことがないようにしてくれるなら、許すかな」

縁「うん、気をつけるね……」

唯「……」

縁「……」

唯「ん? ああ、ごめんな。いつまでも抱きついてて」

縁「あっ……」

唯「歩けそう?」

縁「うん……」


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 21:30:29.79 ID:vetVUynJ0

唯「……」

縁「……」

唯(なんか、ゆかり元気ないな……さっきのが堪えてるんだろうか)

唯「ねぇ、ゆか……」

縁「唯ちゃん」

唯「ん?」

縁「今日、このあと暇?」

唯「これといって用はないけど……」

縁「じゃあ、うちに来ない?」

唯「ゆかりんち? 別に良いけど、何かあった?」

縁「ううん、特にこれといってないんだけど……」

唯(……ああ、なるほど、そういうことか)


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 21:38:07.34 ID:vetVUynJ0

唯「いいよ、ちゃんと家まで送っていくから」

縁「ほ、ほんとに?」

唯「ほんとほんと」

縁「ありがとうね、唯ちゃん」ニコッ

唯「……ッ」

縁「……唯ちゃん?」

唯「なんでもない、なんでもないから」

縁「……?」

唯(うぅ……その笑顔は反則だろ……)

唯「じゃあ、久しぶりにゆかりんちにお邪魔しようかな」

縁「やったぁ」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 21:44:37.28 ID:vetVUynJ0

-縁の家-


唯「はぁ……」

縁「どうしたの、唯ちゃん」

唯「いや、あらためて、ゆかりがお嬢様なんだなって思って」

縁「そんなんじゃないよぉ」

唯「まあ、お邪魔します」

縁「えへへ、いらっしゃいませー」


縁「じゃあ、わたしの部屋で待っててね、飲み物用意してくるから」

唯「ゆかりの部屋ね、わかった」


縁「……」


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 21:51:08.94 ID:vetVUynJ0

-縁の部屋-


唯「何度見ても……広い」

唯「……」

唯「ゆかりにあんな事があったばっかりだし、なんかゆずこが心配になってきた」

唯「電話してみるか」

プルルルル

唯「……」

プルルルル

唯(……あれ)

プルルルル

唯(出ないな)


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 21:59:37.84 ID:vetVUynJ0

がちゃ

唯(あ、やっと出た)

『はいはーい! ゆずこちゃんでーす!』

唯「あ、もしもし、ゆず……」

『ただいま、ゆずこちゃんは電話に出ることができません!』

唯「……」

『御用な唯ちゃんは、ぴーっという発信音の後にメッセージをどうぞ!』

唯「……」

『ぴゅっぴゅー!!』

唯(うぜぇ……)


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 22:06:01.98 ID:vetVUynJ0

唯「……メールで良いか」

がちゃ

縁「おまたせー」

唯「ああ、ありがとね」

縁「ゆずちゃん?」

唯「うん、ゆかりにあんな事があったばっかりだし、ゆずこ大丈夫かなと思って」

縁「……そうだね」

唯(ん?)

唯「ああ、ごめんごめん。思い出させちゃった?」

縁「ううん、だいじょうぶだよ、だいじょぶ!」


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 22:12:59.99 ID:vetVUynJ0

縁「あの……唯ちゃん?」

唯「ん?」

縁「と、となり……座ってもいいかな」

唯「隣? いいけど、こんなに広い部屋なのにどうして?」

縁「だ、だめかな」

唯「別にいいけど……」

唯(どうしたんだろ、ゆかり。なんかいつもと雰囲気が……)

縁「お、お邪魔します」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 22:20:50.05 ID:vetVUynJ0

縁「あ、いつもの紅茶。ミルクティにしてみたの」

唯「……え? あ、ああ、そうなんだ。いただくよ」

縁「……」

唯「……ゆかり」

縁「えっ……な、なにかな」

唯「本当にさっきの大丈夫? やっぱり怪我とかしてるんじゃ」

縁「も、もう、唯ちゃんは心配性だなー、ほんとに大丈夫だってばー」

唯「そ、そう」

縁「……」

唯「……」


唯(なにこの間)


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 22:26:58.86 ID:vetVUynJ0

縁「あ、あの、唯ちゃん?」

唯「な、なに?」

縁「その……もしよかったらなんだけど……ね」

縁「唯ちゃんに……その……く、くっついてもいい……かな?」

唯「く、くっつく?」

縁「う、うん……」

唯(く、くっつくって何!? あ、もしかして寒いのかなー……なんて)

縁「だ、だめ?」

唯(……うっ、かわいい)


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 22:32:47.03 ID:vetVUynJ0

唯「か、構わないけど……もしかして寒かったりする?」

縁「う、ううん、寒いとかじゃない……けど」

唯「まあ、いいよ」

縁「うん。そ、それじゃあ……失礼します」

ぴたっ

縁「……」

唯「……」

唯(なんだろう)

唯(いつもこのくらいのスキンシップなんて、してるはずなのに……)

縁「……えへへ」

唯(すごく恥ずかしい)


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 22:38:35.33 ID:vetVUynJ0

唯(でも……嫌じゃないかも)

縁「……」

唯「……」

唯(そっか……やっぱりさっきの出来事が怖くて内心、怯えてるのかも)

唯「ゆかり」

縁「なぁに?」

唯「もう大丈夫だから」

縁「……」

唯「今いるのはゆかりの家だよ。だからもう、怖くないんだ」

縁「……」

唯「私がついてるから、ね」

縁「……ッ」


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 22:45:18.50 ID:vetVUynJ0

縁「……唯ちゃん」

唯「なに、ゆかり」

縁「……あのね……その……手」

唯「手?」

縁「うん……手、繋いでもいいかな?」

唯「えっと、こう?」

縁「あ、えと……指も……」

唯「こう……かな」

縁「うん、嬉しい……」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 22:51:54.52 ID:vetVUynJ0

唯(なんだろう……)

縁「えへへ……」

唯(こういうのも、たまには良いかもしれないな)

縁「どうしたの、唯ちゃん」

唯「ん? ああ、なんかこういう、しおらしいゆかりは珍しくて、かわいいなと思って」

縁「な、なななな何言ってるの唯ちゃん!」

唯「本当だよ?」

縁「そ、そんなかわいいなんて、唯ちゃんの方がかわいいよ……」

唯「ふふっ、ありがと」


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 22:57:57.00 ID:vetVUynJ0

縁「唯ちゃ……」

ぎゅっ

縁「あっ……」

唯「違った?」

縁「……ううん、あ、合ってる……」

唯「そう」

縁「……」

唯「……体温低いね」

縁「そうかな」

唯「うん、でもあったかい」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 23:05:21.14 ID:vetVUynJ0

縁「なんで……してほしいことわかったの?」

唯「んー? して欲しいというより、したかったからかな」

縁「そ、そうなんだ」

唯「うん」

縁「……じゃ、じゃあね、笑わないで聞いてね」

唯「なぁに?」

縁「……あ、頭なでてほしい」

唯「……」

縁「……」


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 23:12:07.43 ID:vetVUynJ0

唯「ふふっ、あはは!」

縁「うぅ……やっぱり笑ったー」

唯「ごめんごめん」

縁「い、いけない……かな?」

なでなで

縁「ん……」

唯「これでどう? いいこいいこ」

なでなで

縁「うん……幸せ……」


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 23:18:28.21 ID:vetVUynJ0

縁「唯ちゃん」

唯「んー?」

縁「今日は本当にありがとうね」

唯「いいよ、過ぎたことだし」

縁「だって……もし唯ちゃんがいなかったらわたし……今ここにいなかったもん」

唯「じゃあ、ありがたく撫でなきゃね」

なでなで

縁「も、もう真面目な話なんだよぉ」

唯「ごめんごめん」

縁「もう……」


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 23:24:43.23 ID:vetVUynJ0

ぐすっ

縁「えっ」

唯「……何事もなくてよかった」

縁「ゆ、唯ちゃん?」

唯「ゆかりが無事で、ほんとによかった……」

縁「唯ちゃん、泣いて……?」

唯「な、泣いてなんかない」

縁「ううん、泣いてるよ、唯ちゃん」

唯「ぐすっ……ごめん、なんか……ゆかりがいなくなったこと想像しちゃって」

縁「……」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 23:30:49.79 ID:vetVUynJ0

唯「今こうやって感じてる体温も、全部無くなっちゃうと思ったらさ。なんか急に、ね」

縁「唯ちゃん……」

唯「一人だけでどこか行ったら許さないから」

縁「……」

なでなで

唯「……」

縁「唯ちゃん、あの……」

唯「なぁに?」

縁「唯ちゃん、わ、わたしね! 唯ちゃんのこと!」


ピリリリリリ


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 23:37:35.65 ID:vetVUynJ0

唯「あ、ゆずこからメールだ」

縁「あっ……」

唯「ちょっと待ってね」

縁「……うん」

唯「あはは。ゆずこのやつ、新しい本を家で読もうとしたら一個前の巻、間違えて買っちゃったんだって」

縁「そうなんだ」

唯「それでダッシュで本屋を往復してたらしい」

縁「へぇ」

唯「ばかだなあ、あはは」

縁「……」


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 23:44:08.70 ID:vetVUynJ0

唯「でも、ゆずこも無事でほんとによかったよ」

縁「……ッ」

唯「ゆかり、そういえば何か言いかけてなかった?」

縁「あ、ううん、なんでもないよ」

唯「そう?」

縁「うん」

唯「ああ、せっかくミルクティ入れてくれたのに冷めちゃったかな」

縁「あ、わたし、いれ直してくるね」

唯「いいよ、そんなわざわざ」


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 23:50:42.15 ID:vetVUynJ0

縁「せっかく、唯ちゃんのためにいれたんだもん。一番おいしいのを飲んで欲しいから」

唯「そう? じゃあお願いするかな」

縁「ちょっと待っててね」

唯「ありがと、ゆかり」


がちゃ ばたん


縁「……」


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/13(月) 23:56:49.51 ID:vetVUynJ0

唯(もしかして……もしかしなくても)

唯(私、結構すごいことやってたんじゃないだろうか)

唯(でも……ゆかりだって、嫌がってはいなかったよね?)

唯(最後、何言いかけてたんだろう)

( 縁「唯ちゃん、わ、わたしね! 唯ちゃんのこと!」 )

唯(……!?)

唯(ま、まさかね……)

がちゃ

縁「おまたせー、唯ちゃん」

唯「……ッ」


53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 00:02:21.88 ID:vn/dVo8J0

縁「どうしたの、唯ちゃん」

唯「ううん、なんでもない、なんでもないよ」

縁「そう? えへへ、ミルクティと一緒にクッキーも持ってきちゃった」

唯「あはは、ありがと、ゆかり」

縁「どういたしましてー」

唯(か、顔に出てないよね)

縁「えへへ、ささ、どうぞどうぞ」

唯「じゃあ、遠慮なく、いただきます」

縁「どう?」

唯「ん? おいしいよ」

縁「そっか」


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 00:08:25.72 ID:vn/dVo8J0

縁「ねえ、唯ちゃん」

唯「んー?」

縁「ゆずこちゃんのこと、どう想ってる?」

唯「……ッ、ごほっ……ごほっ、ど、どうって?」

縁「そのままだよ」

唯「……と、友達だと思ってるよ」

縁「そう……じゃ、じゃあ」

唯「……」

縁「わたしのこと……は?」

唯「えっ……」


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 00:13:16.38 ID:vn/dVo8J0

縁「わたしのこと、どう想ってる?」

唯「どう……って」

縁「……」

唯「ゆかりは……幼馴染で……それで……」

縁「……」


唯「……友達だよ」


縁「そっか……」


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 00:19:14.92 ID:vn/dVo8J0

唯「ゆかり?」

縁「そっか、そうだよね、ごめんねー、変なこと聞いて」

唯「ううん、大丈夫だけど」

唯(まさか……やっぱり……)

縁「あ、このクッキーおすすめだよ、食べて食べて」

唯「あ、ああ……うん」

縁「どう?」

唯「うん、クッキーもおいしい」

縁「よかった」ニコニコ


60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 00:25:56.26 ID:vn/dVo8J0

唯「ん……なんか眠たくなってきた」

縁「唯ちゃん、大丈夫?」

唯「ごめん、ちょっとだけ一眠りさせてもらっていいかな」

縁「いいけど……じゃあ、わたしのベッド使って!」

唯「そんな、床で良いよ」

縁「いいからいいから、立てる?」

唯「じゃあお言葉に甘えようかな」

縁「えへへ」


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 00:30:36.63 ID:vn/dVo8J0

唯「じゃあ、1時間くらいしたら起こしてもらっていい?」

縁「うん、わかったよー」

唯「ん……おやすみ」

縁「……」

唯「すぅ……すぅ……」

縁「……」



縁「ごめんね」


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 00:56:38.27 ID:vn/dVo8J0

唯(ん……)

唯(あ、これ、夢だ)

唯(夢ってわかる夢ってあるよね)

唯(ん、あれは……)

唯(ちっちゃいゆかり?)

唯(なんかうずくまって……泣いてる?)

唯(歳は……はじめて会った頃くらいかな)

唯(……かわいいな)


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 01:01:36.36 ID:vn/dVo8J0

唯(あれ、こっちに歩いて……)

『ゆいちゃん、ぐすっ……あのね……』

唯(ん? 私が見えてる!?)

『わたし、ゆいちゃんのこと、大好き!』

唯(……ッ)

『ゆいちゃんは、わたしのこと好き?』

唯(……それは)

『えへへ、ありがとう』

唯(ん? 私はなにも……)

『ゆいちゃん、これからもずっと』

唯(……えっ)


からんからん


ワタシダケ ヲ ミテイテネ


72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 01:06:45.69 ID:vn/dVo8J0

唯「……ッ」

唯(なに今の!)

唯(夢? あれ、何の夢だったっけ……それよりも!)

唯(何これ! 目が見えない!?)

唯(それに手と足も……ぜんぜん動かない!)

唯「ゆかり! なんなのこれ! 何かの冗談!?」

ぎしっぎしっ

唯「新しい遊びか何かなの!? ちょっと冗談きつすぎるよ!」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 01:12:22.49 ID:vn/dVo8J0

縁「んっ! 唯ちゃん!? 唯ちゃんそこにいるの!!」

唯「ゆかり!?」

縁「目が見えなくて、手足が縛られてるの! 唯ちゃん! 助けて!!」

唯「ゆ、ゆかりもなの! よ、よく聞いて。私も同じ状態なの」

縁「そ、そんな……どうして」

唯「ゆかり、私が寝た後、何が起こったの」

縁「何がって……ぐっすり眠ってる唯ちゃん見てたら、わたしも眠くなってきて」

縁「それで、一緒に寝ようとして、横になったら……」

唯「こうなってたと」

縁「うん……」


75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 01:19:31.36 ID:vn/dVo8J0

唯(もしかして……日向家を狙った身代金目当ての強盗か何か?)

縁「唯ちゃん、こわいよ……」

唯「大丈夫、大丈夫だから、私がそばにいるからね」

縁「う、うん」

唯「だれか! 誰かいるんでしょ!」

縁「……」

唯「出てきなさいよ!」

『騒がしいですね』

縁「ひっ……」

唯(何この声、変声機?)

唯「あなた誰なの!」

『そんなに大声出さなくても聞こえていますよ』


78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 01:25:38.73 ID:vn/dVo8J0

唯「いいから答えて!」

『ご想像のとおりだと思います』

唯「くっ、やっぱり身代金目当ての誘拐ね」

縁「唯ちゃん、こわいよ……」

唯「大丈夫よ、ゆかり。こんなヤツ、すぐに警察に捕まっちゃうんだから」

ぱちぱちぱち

『すばらしい友情ですね、惚れ惚れしてしまいます』

唯「ふざけないで!」


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 01:30:58.29 ID:vn/dVo8J0

『ふざけてはいないのですが、そうですね。少し余興を楽しみましょうか』

唯「余興ってなんのこと! そんなくだらないこと誰が……」

『まあまあ、落ち着いて聞いてください』

唯「どうして縛られて目隠しされて落ち着いていられると思ってるの!」

『もっともです、ただ……』

チャキ

縁「ひっ……」

『正直ですね、人質は二人も要らないんですよ』


82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 01:36:09.14 ID:vn/dVo8J0

唯「なっ! ゆかりに何してるの!」

『少しは自分たちの状況がわかりましたか?』

唯「くっ……」

縁「唯ちゃん……」

唯「言うこときくから、ゆかりには手を出さないで……」

『素直でよろしい』

唯「……」

『と言っても、簡単なことですよ。あなたは私の質問に答えさえすればいい』


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 01:41:29.22 ID:vn/dVo8J0

『それにしても、あなたの友達想いの心に深く感動しました』

唯「な、なにを……」

『この感動のお礼に、もう一人の目隠しを取ってあげましょう』

しゅるしゅる

縁「んっ……」

唯「ゆかり!? 目隠しが取れたの? ここはどこ!」

縁「ちょっと待ってね……目が光に慣れなくて……」

唯「……」

縁「ここは……どこ?」

唯「……はぁ、だよね。知ってるところなはずないよね」


87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 01:47:42.49 ID:vn/dVo8J0

縁「どこかの地下室みたいだけど……窓もないし」

唯「そっか……じゃあ、犯人は! 犯人はいるの!」

縁「う、うん……目の前に……って、女の人?」

唯「えっ」

縁「髪が……長い」

唯「女の誘拐犯……」

『そんなことはどうでもよいのです、さぁ質問を始めましょうか』

唯「ゆかり、私たちはどうなってるの」

縁「椅子にしばられてるかな……」

唯「……だよね」


89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 01:52:25.35 ID:vn/dVo8J0

『あなたたち二人は幼馴染なの?』

唯「ああ、そうだよ」

『親友?』

唯「うん、私はそう思ってる」

縁「わたしもだよ!」

『そう、じゃあ、相手のどんなところが好き?』

唯「えっ」

縁「……」

『早くしてもらえませんか』

唯「え、えっと、ゆかりは……いつもポヤポヤしてて危なっかしいけど……」

縁「……」


91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 01:57:19.93 ID:vn/dVo8J0

唯「そんなところが可愛いと思うし……それに」

縁「……」

唯「私が落ち込んでるときとか、すぐに気づいて励ましてくれたりして」

縁「……」

唯「優しいところ……かな」

縁「唯ちゃん……ありがとうね」

唯「ほ、ほんとのことだし!」

縁「えへへ」

『そうですか、わかりました。じゃああなたは?』

縁「わたしは……」


92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 02:03:03.86 ID:vn/dVo8J0

縁「唯ちゃんはね、かっこいいの!」

唯「な! ゆかり、何言って……」

縁「いつもわたしを守ってくれて、今日だってわたしの命を救ってくれた」

唯「……大げさだよ」

縁「唯ちゃんはね、わたしの命の恩人なの」

唯「ゆかり……」

縁「ううん、恩人としてじゃなくてもね……」

唯「……」


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 02:09:12.21 ID:vn/dVo8J0

縁「それを抜きにしても……わたしのこと、とても大事にしてくれてるのがわかるの」

唯「……」

縁「そんな唯ちゃんと、これからもずっと一緒にいたい、一緒に笑っていたい」

唯「ゆかり……」

縁「だからわたしは……」


縁「唯ちゃんが大好き」


94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 02:14:42.04 ID:vn/dVo8J0

『そうですか、わかりました』

唯「ゆかり、今の……って……」

縁「……ッ」

『では、次の質問です』

唯「……」

『そのお互いへの気持ちは友情ですか? それとも違う感情ですか?』

唯「……へっ」

縁「……」

唯「な、何言ってんだ!」

『あなたからですよ、唯さん? 早くしてください』

唯「わ、私は……」

縁「……」


96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 02:20:40.08 ID:vn/dVo8J0

唯「私は……ゆかりのこと好きだけど……でも……」

縁「……」

唯「この感情が友情ではないと言われると……わからない」

『わからないという回答は受け付けません。どちらなのですか』

唯「私は……ゆかりのこと、かわいいと思った。今日だって、そう」

縁「……」

唯「落ち込んでるゆかりが甘えてくるのが、かわいくてドキドキして……」

唯「でも、わからないよ、そんなの……」

縁「唯ちゃん……」


97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 02:26:58.17 ID:vn/dVo8J0

『でも、縁さんは、そうではないみたいですよ』

唯「……ッ」

縁「……」

『それにしても、面白い話が聞けました。お礼に縁さんの手足を自由にしてあげましょう』

唯「……!?」

縁「んっ……」

しゅるしゅる

唯「ゆかり! 自由になったの! 逃げられる!?」

『変な気を起こさないでくださいね』


98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 02:33:39.84 ID:vn/dVo8J0

チャキ

縁「ピ、ピストル!?」

唯「ピストル!? ど、どうせ、ニセモノ……」

パァン! ガシャーン!

縁「きゃぁぁぁ!!」

唯「じゅ、銃声!? ほ、ほんもの!?」

『縁さん、あなたが変な真似をしたら、あなたの大好きな人がどうなるか……』

縁「う、うぅ……」

唯「ゆかり、大丈夫、大丈夫だから」

『わかりますね?』


99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 02:39:43.59 ID:vn/dVo8J0

縁「何をすれば……」

『そうですね……』

唯「……」

『唯さんのことが大好きと言っていましたが、言葉だけではよく伝わりませんでした』

縁「えっ……」

『どれくらい大好きなのか、行動で示してください』

唯「な、何言って……」

『縛られてはいますが、あなたの大好きな人が目の前にいるのです。自由にできるのですよ』

縁「……ッ」

『さぁ、早く』


101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 02:44:12.55 ID:vn/dVo8J0

縁「唯ちゃん……」

唯「ゆかり、私は大丈夫。ゆかりになら何されても平気だから」

『そうですね、じゃあまずはキスでもしてもらいましょうか』

唯「き、キス!?」

縁「……ッ」

『どうしたのです、大好きな人とキスできるのですよ』

縁「こんな形でキスするなんて……」

『そんなことを気にしている場合ですか?』

縁「えっ?」


104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 02:51:28.26 ID:vn/dVo8J0

『あなたがキスをしないと、唯さんは私に撃たれて死んでしまうのですよ』

縁「……」

『じゃあ仕方ないじゃないですか、あなたの意思は関係ない』

『唯さんを救うため、あなたはキスをするしかないのです』

縁「……」ゴクッ

唯「ゆかり」

縁「えっ……」

唯「私は構わないから」

縁「唯ちゃん……」

唯「ゆかりなら、私、キスされても構わないから」


105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 02:56:45.87 ID:vn/dVo8J0

縁「じゃあ……いくね」

唯「……」コクッ

唯(ゆかりの吐息が……近くに……)


縁「……んっ」

唯「……」


唯(キス……されちゃった)


106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 03:02:25.69 ID:vn/dVo8J0

唯(ゆかりのくちびる……柔らかかったな、それに……)

縁「……はぁ、はぁ」

唯(全然嫌じゃなかった、それどころか……)

『縁さん、それだけでいいのですか?』

縁「えっ……」

『一回だけで満足なのですか、と聞いているのです』

縁「そんな……わたしは……」

『じゃあ、こうしましょう』

縁「……」

『私が良いと言うまでずっとキスをしなさい』

唯「なっ!?」


108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 03:07:50.79 ID:vn/dVo8J0

『もし勝手にやめたら、その時は……わかりますね』

唯「そんな……卑劣な」

縁「……」

唯「ゆかり! そんなヤツのいうことなんてもう聞かなくていい!」

縁「でも……」

唯「私はどうなってもいいから……」

パァン!

縁「ひっ……」

『唯さん、まだ自分の立場がわかっていないようですね』

『あなたが自分のことを無下にするのは勝手ですが……』

唯「……くっ」


『ものわかりが良くて助かりますよ』


109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 03:13:10.29 ID:vn/dVo8J0

縁「唯ちゃん、ごめんね……ぐすっ……ごめんね……」

唯「ゆかり、泣いてるの? 大丈夫だから」

縁「ほんと?」

唯「うん、それにね。さっきキスされたとき」

縁「……」

唯「全然嫌じゃなかったと言うか……その嬉しかったかな」

縁「唯ちゃん……」

唯「だからね、ゆかりは気にしなくていいんだよ」

『さぁ、早く』


110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 03:19:12.09 ID:vn/dVo8J0

縁「唯ちゃん……するね」

唯「うん」


縁「んっ……」

唯「……っ」


唯(さっきよりも、すごい優しい……)

唯(ゆかりの気持ちが伝わってくるみたい)

縁「はぁ……はぁ……唯ちゃん」

唯「ゆかり……」


『続けなさい』


112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 03:25:00.22 ID:vn/dVo8J0

縁「んっ……んちゅ……ふぅ……」

唯「……ん……んっ」


唯(何これ……すごい……目隠ししてるから?)

唯(くちびるが……すごく敏感に……)

唯(何よりも……)

唯(ゆかりのキスが優しすぎるよぅ……)


113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 03:31:31.78 ID:vn/dVo8J0

縁「はぁ……はっ……」

唯(ゆかりの吐息……なんなの、なんでこんなに甘いの……)

縁「んっ」

唯(!? ゆかりの舌が……入って……)

縁「ん……ちゅっ……」

唯「んん……」

縁「んちゅ……好き……ゆいちゃん……すきぃ」

唯(でも……やっぱりすごく優しい……)


116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 03:37:54.63 ID:vn/dVo8J0

『……』

唯(こんな……こんなの……)

縁「ゆいちゃ……ゆいちゃぁん……」

唯(すごく切ない……不自由な手足がもどかしい)

縁「はぁっ……はぁっ……」

唯(今すぐゆかりを抱きしめてあげたい……)

ぎゅっ

唯「えっ……ゆかり?」

縁「……ごめんね……はぁ……ゆいちゃん」


117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 03:43:53.09 ID:vn/dVo8J0

縁「もっと、ゆいちゃんとキスしたい……」

縁「もっともっと、ゆいちゃんを感じたいから……」

むぎゅ

唯(これ、ゆかりが私の上に……?)

縁「はぁ……ゆいちゃん、あったかい……すき……」

唯「ゆかり……んっ……」

縁「……んっ……ちゅる……」

唯(だめ……気持ちよすぎるよ……)


118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 03:49:49.37 ID:vn/dVo8J0

縁「すき……んっ……だいすきぃ……」

唯「ん……ゆかり、私も好き……」

縁「えへっ……うれしい」

唯「ゆかり……んっ……ゆかり……」

唯(あっ……だめ、なんか……頭が……)

縁「……んっ……ゆいちゃ……ちゅ……ゆいちゃぁん」

唯(だめ……だめっ……真っ白に……)

唯「……ぁ……んんっ!」


119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 03:55:11.54 ID:vn/dVo8J0

唯(ん……)

唯(あ、これ、夢だ)

唯(夢ってわかる夢ってあるよね)

唯(でもなんだろう……前にもこんなことあったような)

唯(ん、あれは……)

唯(ちっちゃいゆかり?)

唯(なんかうずくまって……泣いてる?)

唯(歳は……はじめて会った頃くらいかな)

唯(……かわいいな)


120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 04:00:49.10 ID:vn/dVo8J0

唯(あれ、こっちに歩いて……)

『ゆいちゃん、ぐすっ……あのね……』

唯(ん? 私が見えてる!?)

『わたし、ゆいちゃんのこと、大好き!』

唯(こ、声が出ない!)

『ゆいちゃんは、わたしのこと好き?』

唯(……それは)

唯(……私は!)


121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 04:06:24.44 ID:vn/dVo8J0

唯「私は!」

『……』

唯「いつもポヤポヤしてて危なっかしいけど、そこがかわいくて」

『……』

唯「私が落ち込んでるときとか、すぐに気づいて励ましてくれたりして」

『……』

唯「優しくて、本当に優しいゆかりのこと、大好きだから!」

『……』

唯「これからもずっとずっと一緒にいて欲しい」

『……』

唯「友達としてじゃなくて……私の大事な人として」

『……』

唯「だめかな」


122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 04:13:06.66 ID:vn/dVo8J0

『えへへ、わたしも。わたしも唯ちゃんのこと、大好き』

唯「ゆかり……」

『ゆいちゃん、これからもずっとずっと』

唯(……あれ、視界が白けて)


からんからん


いっしょにいようね


124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 04:19:10.16 ID:vn/dVo8J0

縁「……ちゃん! 唯ちゃん!」

唯「ん……ゆか……り……?」

縁「良かった……目が覚めて」

唯「あれ……ここは、ゆかりの部屋?」

縁「そうだよ、唯ちゃんすごくうなされてたんだよー」

唯(全部……夢だったのか……)

縁「大丈夫? 気分悪くない?」

唯「ああ、大丈夫だよ」

唯(それにしてもすごい夢だったな……)


126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 04:25:30.01 ID:vn/dVo8J0

縁「よかった……ぐすっ……よかったぁ」

唯「おいおい、泣くことはないだろ」

縁「だってぇ……だってぇ……」

唯「まったく、ゆかりはほんと」

なでなで

縁「……ッ」

唯「優しいんだから」


128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 04:31:16.13 ID:vn/dVo8J0

縁「……唯ちゃん?」

唯「ゆかり、ちょいちょい」

縁「なにかな?」

ぎゅっ

縁「えっ……えっ……」

唯「ゆかり……さっきゆかりが言いかけてたこと、返事するね」

縁「……そ、それって」

唯「うん」


129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 04:36:19.13 ID:vn/dVo8J0

唯「私ね、ゆかりのことが好きみたいだ」

縁「……」

唯「友達としてじゃなくて……その、一番大事な人として」

縁「唯ちゃん……それ、本当?」

唯「本当だよ」

縁「ほんとうにほんとう?」

唯「本当だってば」

縁「ほんとうにほんとうにほんとう?」

唯「もう、本当に本当!」


132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 04:42:08.74 ID:vn/dVo8J0

唯「いい、よく聞いて!」

縁「うん」

唯「私、櫟井唯は、日向縁のことが……好きです」

縁「ぐすっ」

唯「ゆ、ゆかり?」

縁「わたしも……日向縁は櫟井唯のことが、大好きです!」ニコッ

唯「ゆかり……」

縁「唯ちゃぁん!」

ぎゅぅぅ

唯「いたた、ゆかり、苦しい。苦しいってば」


133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 04:48:33.75 ID:vn/dVo8J0

縁「嬉しい……ぐすっ……ほんとにうれしいよぉ」

唯「もう……ゆかりったら」

なでなで

縁「これ夢じゃないよね」

唯「頬を引っ張ってみたら?」

縁「うん!」

みょんみょん

唯「おい」

縁「なぁに」

唯「私の頬を引っ張ってどうする」


134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 04:53:56.37 ID:vn/dVo8J0

縁「夢じゃない?」

唯「うん、ほら」

みょんみょんみょん

縁「ふう、ゆいひゃん、ひたひよほぉ」

唯「夢じゃないでしょ?」

縁「う、うん……」

唯「ふふっ……ゆかり、こっちむいて?」

縁「えっ……あ……んっ……」


135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 04:58:33.38 ID:vn/dVo8J0

唯「……」

縁「……」カァァ

唯「好きだよ、ゆかり」

縁「……えへへ、わたしも大好き、唯ちゃん」

唯「ゆかり、もし良かったらなんだけど」

縁「いいよぉ」

唯「まだ何も言ってないんだけど……」

縁「だいたいわかっちゃった、明日お休みだし」

唯「じゃあ、お言葉に甘えて」

縁「やったぁ」


137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 05:04:14.03 ID:vn/dVo8J0

唯(その後、私が見た夢の内容をゆかりに話した)

唯(そしたら、ゆかりは)

縁「怖いねぇ」

縁「でも、一応セキュリティは万全なはずだから大丈夫だよぉ」

唯(って小さな胸を張ってた)

唯(それを口に出したらぷんぷん怒りだしたけど)

唯(でも、そんなゆかりも……かわいかった、かな)


138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 05:10:28.44 ID:vn/dVo8J0

-夜 縁の部屋-


唯「ゆかり」

縁「なぁに」

唯「……次はどうしてほしい?」

縁「……うぅ」カァァ

唯「どうしてほしいの?」

縁「わ、わたしは……もうたくさんしてもらったから……その……」

縁「唯ちゃんの好きなこと……してほしい」

唯「そっか」

なでなで


139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 05:14:36.85 ID:vn/dVo8J0

縁「んっ……」

縁「わたし、唯ちゃんに撫でられ中毒になっちゃったかも」

唯「あはは、なにそれ」

縁「唯ちゃんに頭撫でられないと死んでしまいます」

唯「じゃあ、ずっと、ずっとずっと撫でてないとね」

縁「えへへ」

唯「撫でてるときのゆかりはかわいいから、ずっと飽きないし」

縁「もう、唯ちゃんったら……」


140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 05:19:00.14 ID:vn/dVo8J0

唯「ゆかり、聞いて」

縁「なぁに?」

唯「私にとって、ゆかりに代わる人はいないってこと、覚えておいて欲しい」

縁「うん……わたしも同じだよ」

唯「だから、学校のみんな、ゆずことも今までとおり友達、わかった?」

縁「唯ちゃん……」

唯「……」

縁「……気づいてたの?」

唯「うん」


141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 05:24:13.77 ID:vn/dVo8J0

縁「ごめんなさい、本当にごめんね……でも、もう大丈夫」

唯「……」

縁「唯ちゃんの気持ち、わたしに伝わったから。もうわたし迷わないから」

唯「そっか……じゃあ、こっち向いて?」

縁「唯ちゃ……んっ……」

唯「……」

縁「……」

唯「……これが誓いのキスだから」

縁「えへへ、はぁい」


142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/14(火) 05:29:16.96 ID:vn/dVo8J0

縁「唯ちゃん……」

ぎゅぅ

縁「これからもずっと、ずーっと一緒にいてね」

唯「うん、もう絶対、離さないから」

縁「えへへ」


唯「ゆかり」

縁「……はいっ」


「大好きだよ」




おわり


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