あかり「がちゆり、はっじまっるよー」

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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:15:36.51

数週間前 放課後の教室

向日葵「櫻子、あなたは私のことが嫌いなんですの?」

櫻子「はあ? 何言ってるの?」

向日葵「以前からそうでしたけれど、最近は特に私を避けているように感じますわ」

櫻子「それはっ……ほら、副会長を狙うライバルだし!」

向日葵「けれど、そうは言いながらも一緒に行動してましたわよね?」

櫻子「うっ……」

向日葵「どうしてなんですの?」


2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:16:37.82

櫻子「そ、それはぁ……」

向日葵「俯いていてはわかりませんわ」

櫻子「う、うるさーい! 嫌いだったらこうして一緒にいるわけないだろ!」

向日葵「いきなりどうしたんですの?」

櫻子「うるさいうるさーい! この鈍感おっぱいめ!」ボヨーン

向日葵「きゃっ、何するんですの!」

櫻子「ふんだ!  向日葵のバーカ!」タッタッタッ

向日葵「……行ってしまいましたわ。まったく、わけがわかりませんわ」


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:17:59.11

二日前 放課後の教室

向日葵「櫻子、ちょっとよろしくて?」

櫻子「な、なんか……用?」

向日葵「今日、一緒に帰りますわよ」

櫻子「なんで? 別に私じゃなくても、あかりちゃんとかちなつちゃんとかいるじゃん」

向日葵「櫻子の意思は関係ありませんわ。ほら、行きますわよ」ギュッ

櫻子「ちょ、ちょっと待って! 手引っ張らないでよー」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:19:18.83

向日葵の部屋

櫻子「……で、部屋にまで連れ込んでなんなのさ」

向日葵「櫻子。こっちを見てくれませんか?」

櫻子「……別に、どこ見てたっていいじゃん」

向日葵「ダメですわ。こっちを見てくれないと離しませんよ」ガシッ

櫻子「わかったよ……んで、用があるなら早くしてよ」

向日葵「あの、私……櫻子のこと、嫌いじゃないですわよ」

櫻子「は、はぁ?」

向日葵「最近櫻子がよそよそしいのはどうしてですの? 私のことが嫌いになったんですの?」

櫻子「そ、そういうわけじゃ……」

向日葵「この前は逃げられましたけれど、今回はそうはいきませんわよ」

櫻子「別に、嫌いってわけじゃないし……」

向日葵「だったら、どうして私を避けるんですの?」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:20:46.44

櫻子「うー……き、嫌いじゃないもん!」

向日葵「ですから、どうして」

櫻子「嫌いじゃないって言ってるだろー! それくらい察しろよバカ!」

向日葵「……バカとは酷いですわね」

櫻子「バカバカバカ! バカ向日葵!」

向日葵「でも、そうやって感情をぶつけてくれる櫻子のこと、私は好きですわよ」

櫻子「……ばか」

向日葵「櫻子は、好きって言ってくれませんの?」

櫻子「そ、そんな恥ずかしいこと言えるわけないだろ!」

向日葵「ふふっ。櫻子はまだまだお子様ですわね。かわいいですわ」

櫻子「そういうこと言うなあーっ!」


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:22:29.65

一日前 向日葵の部屋

向日葵「櫻子、今日こそ好きと言ってもらいますわよ」

櫻子「むー……無理だってばぁ」

向日葵「それならば逃げてしまえばいいのでは? 今日は押さえつけていませんわよ?」

櫻子「どこで何しようが私の勝手だもーん」

向日葵「では私も勝手にさせてもらいますわね」ピトッ

櫻子「な、なんで隣に座るんだよ! しかもこんなに体をくっつけて!」

向日葵「私の勝手ですわ」

櫻子「むーっ」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……ねえ、櫻子」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:24:07.15

櫻子「ん?」

向日葵「櫻子は昔、私のことを『向日葵ちゃん』と呼んでましたわよね?」

櫻子「よ、呼んでない!」

向日葵「いいえ。しっかりと覚えていますわ」

櫻子「気のせいだーっ!」

向日葵「もう『向日葵ちゃん』とは呼んでくれませんの?」

櫻子「だって、そんなの私っぽくないし、キャラじゃないし……」

向日葵「……」

櫻子「うぅー……」

向日葵「櫻子、ちゃん」

櫻子「ふぇっ?」


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:25:39.83

向日葵「ほ、ほら! 次はそっちの番ですわよ」

櫻子「……ひ、ひまわ、ひみゃわ」

向日葵「櫻子ちゃんは、やっぱりかわいいですわね」

櫻子「ひ、向日葵ちゃんだってかわいいよ!」

向日葵「……」

櫻子「なんで黙るのさぁ……」

向日葵「いえ、予想以上に心にグッときたと言いますか」

櫻子「もう言わないからね!」

向日葵「では次は好きと言ってもらいましょうか」

櫻子「だから無理って言ってるだろーっ!」


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:26:51.33

翌日 放課後の教室

あかり「なんか最近、向日葵ちゃんと櫻子ちゃんが仲良しになったね」

ちなつ「あかりちゃんもそう思う? 前までは見つめ合って火花バチバチ散らしてたのに」

向日葵「……」ジーッ

櫻子「……」ジーッ

ちなつ「今じゃ全然ライバルって空気じゃなくなってるもの」

あかり「でも、仲良くなったのはいいことだと思うよ」

ちなつ「……はあ。あかりちゃんはわかってないなぁ」

あかり「えっ、何が?」

ちなつ「なんでもない。さ、部活行こう」

あかり「う、うん……でも」

ちなつ「野暮なことしないの。いいから行くよ」グイグイ

あかり「わ、わかったよぅ」タッタッタ


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:27:58.14

向日葵「櫻子、今日はどこかに寄って行くつもりですの?」

櫻子「別に、どこにも寄らない」

向日葵「ちょうどいいですわね。今日は楓の帰りが遅いんですの」

櫻子「えとー、向日葵の部屋行くの?」

向日葵「昨日の続き、しますわよ」

櫻子「昨日って……そんな、突然」

向日葵「ほら、そうと決まったら帰りますわよ」ギュッ

櫻子「あ、手……」

向日葵「逃がしませんわよ、櫻子」

櫻子「うん……」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:29:12.13

数日後 ごらく部部室

ちなつ「あれ、今日は結衣先輩だけですか?」

結衣「ああ。京子は同人誌の締め切りがあるとかで帰ったよ。あかりは?」

ちなつ「あかりちゃんはお姉さんとお出かけの用事があるらしくて帰りました」

結衣「そっか。今日はちなつちゃんと二人だけか」

ちなつ「そ、そうですね」

結衣「なんか、こういうのってあまりなかったから新鮮だな」

ちなつ「そ、そうですね」

結衣「今日はどうしよっかなー。って普段から何もしてないよね」

ちなつ「そ、そうですね。……あ! と、とりあえずお茶淹れますね」

結衣「ありがとう。ちなつちゃんのお茶って、私おいしくて好きだな」

ちなつ「す、好きですか? あ、ありありがありがとごじゃましゅりゅ」

結衣「……ちなつちゃん。まずは落ち着こうか」

ちなつ「ひゃ、ふぁい!」


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:30:58.09

結衣「……」ペラッ

ちなつ(結衣先輩、どんな本読んでるんだろう……)

ちなつ「あ、あの! それなんの本なんですか?」

結衣「ん? 小説だよ。見てみる? こっちおいで」

ちなつ「はい!」トコトコ

結衣「この作家、私気に入っててさ。今までの本はだいたい持ってるんだ」

ちなつ「そうなんですかー」

ちなつ(結衣先輩の隣に座っちゃった! チーナ、一歩前進よ!)

結衣「ちなつちゃんは、小説とか読む?」

ちなつ「いえ、あまり……」

結衣「そっか。文字ばっかりだもんね」

ちなつ「で、でも! 結衣先輩が読んでるのなら読みたいです……」

結衣「そう? それならいくつか貸してあげるよ」

ちなつ「いいんですか?」


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:33:22.84

結衣「小説仲間が増えるのは嬉しいからね。京子はミラクるんばっかりなんだもん」

ちなつ「確かに、京子先輩は漫画のイメージがあります」

結衣「それじゃ、私の部屋に行こうか」

ちなつ「はい! ……へっ? 部屋?」

結衣「うん。だって、本を貸すんだから、部屋に行かないと」

ちなつ「そ、それは私もご一緒してよろしいのでございますでしょうかしら」

結衣「ま、まあ。本借りるなら実際に見た方がいいだろうし」

ちなつ「ぜ、ぜひ行かせていただきますごちそうさまっ!」

結衣「とりあえず落ち着いてから帰ろうね」


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:36:18.30

同日 結衣の部屋

結衣「その辺に座ってて。飲み物持ってくるから」

ちなつ「は、はい……」

ちなつ(結衣先輩の部屋……前にも来たことあるけど、やっぱりキレイ……)

ちなつ「……」サワサワ スリスリ クンカクンカ

ちなつ「……」ハァハァ

結衣「お待たせ……って、何してるの?」

ちなつ「な、なななにもしてないですよ?」

結衣「そう? はい、オレンジジュース」

ちなつ「ありがとうございます」ゴクゴク

結衣「飲むペース速いな……おかわりあるから遠慮しないでね」

ちなつ「それじゃあ、おかわりを」

結衣「うん。持ってくるから待っててね」テクテク


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:38:56.02

ちなつ(あれは……今さっきまで結衣先輩が座ってたクッション)

ちなつ「……」ツンツン ナデナデ クニクニ

ちなつ「フヒ」

結衣「お待たせ……クッションがどうかした?」

ちなつ「どどどどうもしていないでひゅよ!」

結衣「う、うん……はい、ジュースのおかわり」

ちなつ「あ、ありがとうござギュゴキュゴクゴク」

結衣「ちなつちゃん……そんなに焦らなくてもジュースは逃げないよ」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:41:45.32

結衣「──それで、こっちの本が読み応えバッチリで」

ちなつ「……」スゥスゥ

結衣「寝ちゃった、か。本を少し読み過ぎたから疲れたのかな」

結衣「もうこんな時間か……ちなつちゃんの家族が心配してるかもしれない」

結衣「でも、こんなにスヤスヤ寝てたら起こすのも悪いしな……」

結衣「……」ピポパポ トゥルルルル

結衣「あ、もしもし。吉川さんのお宅ですか? 私、船見結衣と言いまして──」


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:44:41.99

ちなつ「ん、んぅ……。はっ、いつの間にか寝ちゃってた」

結衣「あ、起きた?」

ちなつ「はい……すみません、寝てしまいました」

結衣「いいんだよ。ちなつちゃんの家族には私から連絡しておいたから」

ちなつ「何から何までありがとうございます」

結衣「外も暗いし、送っていくよ」

ちなつ「そ、そんな、悪いです!」

結衣「でも、一人で夜道を歩かせるわけには……」

ちなつ「それなら私、今日はここに泊まります!」

結衣「ええっ?」

ちなつ「明日は土曜で学校も休みですし、親には私から話します! ちょっと電話借りますね」ピポパポ トゥルルルル

ちなつ「あ、お母さん? あのね、今日先輩の家にお泊まりするから──」

結衣「ちょ、ちょっと、ちなつちゃん……」


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:46:31.33

ちなつ「──うん。そういうことだから。じゃあねー」ガチャ

ちなつ「お待たせしました。今日はよろしくお願いします」ミツユビ

結衣「と、とりあえずそのポーズはやめようか」

ちなつ「もしかして……ご迷惑、でしたか?」ウルウル

結衣「いや、別にそういうわけじゃ……」

ちなつ「……えへへ」

結衣「まあ、いいか。食材は京子が来た時のためにいっぱいあるし」

ちなつ「そうだ、京子先輩! 京子先輩が突然来たりはしないですよね?」

結衣「多分、ね。土日徹夜して同人誌を仕上げるらしいから家から出てこないと思う」

ちなつ「そ、それなら……二人きり、ですね」

結衣「そうなる、ね。うん」

ちなつ「結衣先輩……」ジリジリ

結衣「な、なにかな?」アトズサリ

ちなつ「私は今、とっても幸せですぅ……」ポワー

結衣「そ、そう。よかったね」タジタジ


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:49:14.86

ちなつ「ごちそうさまでした!」

結衣「おそまつさまでした」

ちなつ「やっぱり結衣先輩の手料理は最高です! 三食毎日一年間1015回食べたいくらいです!」

結衣「ちなつちゃん、大げさだよ……」

ちなつ「そんなことないです。だって……スキナヒトノリョウリダカラ」

結衣「ん? なんだって?」

ちなつ「な、なんでもないです!」

結衣「? ……じゃあ、私は後片付けしてくるね」

ちなつ「あ、私も手伝います」

結衣「いいよ。ちなつちゃんはゆっくりくつろいでて。お客さんなんだから」トコトコ

ちなつ「行っちゃった……」


53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:51:54.16

ちなつ(食事もおいしかったし、次のイベントに気持ちを切り替えなくちゃ)

ちなつ(お泊まりと言えばもちろん、一緒にお風呂! そして同衾!)

ちなつ(結衣先輩とお風呂……体の洗いっこなんかしちゃったりして)

ちなつ(それで、手が変なところに触れて、きゃっ! なんて声が出ちゃったりして……)

ちなつ(! まずいまずい。鼻血が出そう。……ふぅ。池田先輩じゃないんだから)

ちなつ(でも、そこで事を急いではダメよ、ちなつ。それじゃ乙女らしくないわ)

ちなつ(結衣先輩とは、そういうことはじっくりと、大切にしていきたいから……)

結衣「おーい、ちなつちゃん?」

ちなつ「は、はいいぃぃいい?」

結衣「なんだかボーっとしてたけど、大丈夫?」

ちなつ「だ、だだだいじょーびゅです!」

結衣「もしかして熱でもあるんじゃ……」ピト

ちなつ「へっ?」


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:56:19.55

結衣「ふーむ、ちょっと熱いかもしれない」


ちなつ(ゆ、結衣先輩の顔が、こんなに近くに……)

ちなつ「」ポケー

結衣「これは、お風呂入らないでもう寝ちゃった方が……」

ちなつ「! そ、それはダメですっ!」

結衣「で、でもさ」

ちなつ「私なら元気です! だからお風呂入ります! 一緒に入りましょう!」

結衣「うん。うん……うん?」

ちなつ「……」ジーッ

結衣「……」

結衣「まあ、別に一緒に入るくらいいいけど……」

ちなつ「やったぁ~……えへへ」

結衣(なんだかさっきから反応がかわいいな。どうしたんだろう)


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 13:58:49.66

浴室

ちなつ「結衣先輩! お背中流させていただきます! いや、させてください!」

結衣「うん。ありがとう」

ちなつ「♪」ゴシゴシ

結衣「……」

ちなつ「……」ソーッ

結衣「!」ビクッ

ちなつ「……」コショコショ

結衣「ちょ、ちょっと! ちなつちゃん?」

ちなつ「結衣先輩の体、とってもキレイですぅ……」ハァハァ

結衣「そ、そこは……もういいよ、ちなつちゃん」

ちなつ「もう少しだけ、こうしていたいです」ピトッ

結衣「……ほら、こっちおいで。今度は私がちなつちゃんの背中、流してあげる」

ちなつ「はいっ!」


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:00:12.78

結衣「ごめんね。二人で入るにはこの湯船、狭すぎるよね」

ちなつ「いいんです! むしろこうでないと!」ガシッ

結衣「ちなつちゃんがそう言うなら」

ちなつ「……結衣先輩、お肌スベスベですね」サワサワ

結衣「ちなつちゃんだって、こんなに肌白い」ツン

ちなつ「ひゃんっ」

結衣「あ、ごめん」

ちなつ「……いえ。もっと触ってくれても、いいんですよ?」

結衣(ちなつちゃんの目がトロンとしてる。のぼせちゃったのかな)

ちなつ「……」ドキドキ

結衣「顔、赤いよ? のぼせないうちに上がっちゃおうか」ザバー

ちなつ「あ、はい……」シュン

結衣「体、拭いてあげるね。その髪まとめるの、大変でしょ」

ちなつ「はい!」キラキラ


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:01:30.54

寝室

結衣「本当に布団一つでいいの?」

ちなつ「当たり前です! 結衣先輩と一緒に寝たいんです!」

結衣「ふふっ。変なちなつちゃん」

結衣「じゃ、電気消すね」

ちなつ「おやすみなさい……」

結衣「うん、おやすみ」

ちなつ「……」モゾモゾ

結衣「……」スースー

ちなつ(もう寝ちゃった……寝付き、いいんだなぁ)

ちなつ(寝顔……とってもかわいいですよ)

ちなつ「……」

ちなつ「……結衣、先輩」


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:03:40.38

ちなつ「私、結衣先輩のことが……好き、なんです。ライクじゃなくてラブなんです」

ちなつ「結衣先輩は私のことを、ただの後輩としか見てくれていないのはわかっています」

ちなつ「それでいいいんです。だって結衣先輩は、京子先輩と……」

ちなつ「でも、今だけは私の好きにさせてください……」ギュッ

ちなつ「ゆ、い……せんぱぁい……」

ちなつ「……」

ちなつ「……」スゥスゥ



結衣「……」パチッ

ちなつ「……」スヤスヤ


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:05:14.08

結衣(好き、か。今までちなつちゃんが不自然だったのはそういうことなのかな)

結衣(女同士って、どうなんだろう……)

結衣(でも、嫌な気持ちはないな。なんだかあったかい気持ちだ)

ちなつ「……ゆいせんぱい……」ムニャムニャ

結衣(ちなつちゃんって、やっぱりかわいいな。いかにも後輩って感じ)

結衣(だけど、それじゃ満足しないんだろうなあ……)

結衣(……とりあえず、今は目の前の問題をどうするか、だ)

結衣(トイレに行きたいんだけど、ちなつちゃんに抱きつかれて動けない)

結衣(そーっと、起こさないようにひっぺがすしかないか……)

結衣(……はぁ)


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:06:24.38

週明け ごらく部部室

京子「ぐあぁ……うら若き乙女に徹夜は厳しいぜ……」グッタリ

結衣「まだ疲れが残ってるのか?」

京子「それなりにねー。あと眠い」

結衣「そうか。今日はあかりもちなつちゃんもいないし、ゆっくり寝たらどうだ?」

京子「それもいいんだけど、まだ動けるしいいかな。それに」

結衣「?」

京子「結衣の悩みを聞くぐらいの元気は残ってるからさ」

結衣「!」

京子「どうしたんだよ、結衣。なんか思い詰めた顔してるぞー」

結衣「えっと、それは……」


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:09:19.46

京子「私にも言えないってのかー? そんな……あの夜の誓いは嘘だったのね」オヨヨ

結衣「適当な作り話をするな」

京子「突っ込みを入れる元気は出たみたいだね。よかったよかった」

結衣「京子……」

京子「ほれほれ、京子大先生がその悩み、まるっと解決してやるよーん」

結衣「……実は、さ」

京子「ふむふむ」

結衣「告白、された……かも」

京子「おうっと! ……かも?」

結衣「その、面と向かって言われたわけじゃないんだけど……なんと言うかなぁ」

京子「もしかして、その相手は……」

結衣「……」


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:12:27.63

京子「あかr」

結衣「なんでだよ」

京子「じゃあ、ちづr」

結衣「変化球だな」

京子「まさか、まりちゃn」

結衣「通報されたくねぇよ」

京子「やっぱり……ちなつちゃん、か」

結衣「……うん」

京子「そうかそうかー。ちなつちゃんも思い切ったもんだ」

結衣「京子は、それでいいのか?」

京子「なにが?」

結衣「ちなつちゃんと、その……チューしたいとか言ってたじゃないか」


70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:14:34.11

京子「ああ、あれ? 別にいいよー」

結衣「軽いなオイ」

京子「あれはねー、ほら。青春を駆ける少女のノリみたいな」

結衣「なんだそりゃ」

京子「本気だけど、本気じゃないって言うのかな。ただのおふざけ、ってことで」

結衣「でも、あんなにちなつちゃんにアタックしてたのに」

京子「ちなつちゃんの想いの方が、私の戯れより何倍も大きいんだよ」

結衣「京子……」

京子「だから、結衣はきちんと返事をしてあげるべきだと思う」

結衣「……」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:17:12.25

京子「だーいじょうぶだって。どんな結果になっても、このごらく部が消えることはないから」

京子「結衣だって、もう自分の中では答えが決まってるんでしょ?」

結衣「……」コクン

京子「なら、それでいいんだよ。ちなつちゃん、きっと心細いだろうからさ」

京子「どんな形にしろ、その気持ちにケリつけさせてあげないと」

結衣「……わかった。ありがとな、京子」

京子「ははっ、いいってことよ。お代はサービスして、ラムレーズン一週間分ってことで」

結衣「ああ。一ヶ月分くらい用意しておくよ」

京子「おぉう! なんと太っ腹な結衣様! ははーっ」

結衣(……京子は、やっぱりすごいな)


77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:19:31.37

数日後 ごらく部部室前

ちなつ「それでねー、その時アイスノンが……」

あかり「えーホントに? あはは」

ちなつ「だから私……あ」

あかり「どうしたの? ちなつちゃん」

ちなつ「結衣、先輩……」

結衣「やあ、ちなつちゃん。待ってたよ」

あかり「えっと、あかりもいるよー」

結衣「ああ、あかり。ちょっとちなつちゃんを借りるね」

あかり「う、うん……?」

結衣「ちなつちゃん、いいかな?」

ちなつ「はい……」


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:22:06.80

あかり「二人とも行っちゃった。どうしたんだろう?」

あかり「まあいいや。先に部室行って待ってよっと」ガラガラ

京子「おーっす、あかりー」

あかり「京子ちゃん」

京子「結衣と会ったか?」

あかり「うん。ちなつちゃんとどこかに行っちゃったけど」

京子「そうか。なあ、あかり」

あかり「うん」

京子「あの二人に何かあっても、私たちはずっとごらく部だからな」

あかり「えっと、どういうこと?」

京子「わからなければそれでいいよ。うん。あかりらしい」

あかり「?」

京子「あははっ。やっぱミラクるんサイコー」

あかり「……お茶でも淹れよっと」


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:24:45.48

校舎裏

結衣「ゴメンね、こんなところまで」

ちなつ「いえ……別に」

結衣(ちなつちゃん……元気がないのは気のせいじゃないよな。意識、してるのかな)

結衣「あのね、ちなつちゃん」

ちなつ「はい」

結衣「この前、私の家に泊まった時のことだけど」

ちなつ「はい」

結衣「あの夜……私、ホントは起きてたんだ」

ちなつ「……はい?」

結衣「だから、その……ちなつちゃんの言葉、全部聞いてたんだ」

ちなつ「は、は、は……」

結衣「……ちなつちゃんが、私のことを好き、ってことも」

ちなつ「はひいいいぃぃぃ?」


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:27:00.85

結衣「それで、そのことをずっと考えててさ……ってちなつちゃん?」

ちなつ「ゆ、ゆいせんぱいに……こくは、く、きかれ、て、た、あ、あ、あ、あ」

結衣「あの、ちなつちゃ」

ちなつ「いやあああああ! そ、そんな、私としたことがあああっ!」

結衣「お、落ち着いて、ほら、深呼吸」

ちなつ「あ、あああああの、ゆゆゆゆゆいせんぱぱぱ」

結衣「ちなつちゃん!」ニギッ

ちなつ「あっ……」

結衣「落ち着いた?」

ちなつ「はい……、結衣先輩の手、あったかいですぅ」

結衣「私の話、聞いてくれるね?」

ちなつ「はい」


85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:29:50.01

結衣「ちなつちゃん。私は正直、女同士で付き合うってのがよくわからない」

結衣「というより、誰かと付き合うってこと自体、経験もないからわからない」

結衣「だけど……嫌な気持ちはないし、何より嬉しいなって思ったんだ」

結衣「だから、私もちなつちゃんのことが……好き、なんだと思う」

結衣「もし、こんな私で良ければ──」

ちなつ「結衣先輩!」ダキッ

結衣「ちなつ、ちゃん?」

ちなつ「私、結衣先輩のことが好きです。大好きなんです!」

ちなつ「だから、私……今、とても幸せです」

ちなつ「結衣先輩……私を、結衣先輩の彼女にしてください」

結衣「……うん」ナデナデ

ちなつ「……」ウルウル

結衣「これからも、よろしくね」ダキッ

ちなつ「ゆ、い……せんぱぁい……」


89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:32:53.04

数十分後 ごらく部部室

京子「おかえり、幸せそうなお二人さん」

結衣「あ、ああ……」チラッ

ちなつ「こ、こんにちは。京子先輩……」チラッ

京子「なんだなんだ。視線を交わし合っちゃって、もうラブラブじゃないかーこのこの」

結衣「お、おいこら」

ちなつ「やめてください~」

京子「あはははっ。お幸せにねー」

結衣「……京子、お前」


91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:34:38.69

京子「二人を見てればわかるって。結衣、しっかりな」

結衣「うん」

京子「ちなつちゃん。おめでとう。結衣ってこう見えて寂しがり屋だから、いっぱい甘えてあげなよ?」

ちなつ「……はい!」

結衣「ところで京子、あかりは?」

京子「ああ。なんかお茶っ葉が切れてるとかで買いに行ったよ」

結衣「そっか。あとであかりにも報告しないとな」


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:37:26.78

一ヶ月後 生徒会室

綾乃「……」

千歳「……」

京子「……」

綾乃「……歳納京子、あなたはどうして最近生徒会室に入り浸ってるのかしら?」

京子「だってさー。結衣とちなつちゃんがデートに忙しいみたいで、全然構ってくれないんだもん」

綾乃「赤座さんがいるじゃない」

京子「それはほら。空気読んだ感じで」

綾乃「何を言ってるのかしら」

千歳「まあまあ綾乃ちゃん。何も邪魔してるわけじゃないんやし」

綾乃「た、確かに歳納京子が手伝ってくれてるおかげで仕事は捗ってるけど」

千歳「そうやろ? だから歳納さんがいても、なーんにも問題ないで?」

綾乃「よこしまな雰囲気を感じるけど……事実は仕方ないわね」


98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:40:32.59

京子「ほい、この書類まとめ終わったよー」

綾乃「早っ! わざといっぱい渡したのに!」

京子「ほれほれ綾乃、次の書類早くよこしなよー」

綾乃「ま、待ちなさい。すぐに泣き事言うくらいの量を回してやるんだから!」

千歳「……」スッ

千歳(ねえ、綾乃、早くぅ…… ふふっ、すぐに鳴かせてあげるんだから……)ボタボタ

綾乃「きゃーっ! 鼻血、鼻血!」

千歳「いやー、油断したわー」ネジネジ


102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:43:42.50

綾乃「まったく……」チラッ

京子「ん? 綾乃、どうした?」

綾乃「な、なんでもないわよ! ほら、これ次の書類!」ドサッ

京子「よーし、綾乃。どっちが早く片付けられるか競争しようぜ!」

綾乃「な、何言ってるの! 仕事は遊びじゃないんだから!」

京子「勝ったら負けた方になんでも命令できるってのはどうだ?」

綾乃「話を聞きなさいよ! ……でも、それっていいかもしれないわね」

京子「でしょー? そんじゃー、よーい……ドン!」テキパキ

綾乃「! 私だって……」テキパキ

千歳(勝った方はどんな命令をするんやろうなぁ……)

千歳「……」デヘー


104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:47:01.53

京子「勝ったー!」

綾乃「くっ……どうして勝てないのよぉ……」

京子「じゃー綾乃に命令!」

綾乃「!」ビクッ

京子「今日、一緒に帰ろうぜ!」ビシッ

綾乃「……えっ?」

千歳(こっ……これはっ! まさかのデートイベント! 邪魔したらあかん!)キュピーン


106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:50:16.75

千歳「う、うちはお先に帰らせてもらうで。ほなー」タッタッタ ポタポタ

綾乃「千歳……」

京子「ほら、仕事も全部済んだことだし帰ろうよ」

綾乃「し、仕方ないわね。命令だものね」

京子「えへへ、下校デートだね」

綾乃「な、なな、何言ってるのーっ!」カアッ

京子「あ、赤くなったー。かーわいー」

綾乃「ぐぬぬ……さあ、帰るわよ!」

京子「待ってよ綾乃ー」


107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:53:01.61

帰り道

綾乃「……」

京子「なんでさっきからそっぽ向いてるのさー?」

綾乃「き、気のせいよ」プイッ

京子「……ちぇーっ」

綾乃「……」チラッ

京子「せっかく二人きりなのになー」

綾乃「!」

京子「ねえ綾乃。ちょっとあそこの公園寄ってかない?」

綾乃「げ、下校途中に寄り道なんて罰金バッキンガm」

京子「ダメ?」

綾乃「……ま、まあ。たまにはいいんじゃないかしら」

京子「やった」

綾乃「……もう」


110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:56:30.73

公園のベンチ

京子「そういえばさ」

綾乃「なによ」

京子「こうして綾乃と帰るのって久しぶりだよな」

綾乃「そうね。今までにたった三回しかなかったわね」

京子「よく覚えてるね。さすが綾乃」

綾乃「こ、こんなの当たり前よ」

京子「綾乃、ごめんね」

綾乃「ど、どうしたのよ、いきなり」

京子「最近、生徒会にお邪魔してばっかりだったでしょ? だから」

綾乃「別に……邪魔だなんて思って、ない」

京子「私さ、さっきも言ったけど、やっぱり寂しかったんだ。だから綾乃のところに来たんだよ」

綾乃「……」


113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 14:59:11.50

京子「綾乃ってさ、なんだかんだ言っても私に構ってくれるから」

京子「ねえ綾乃。私、綾乃がいないとダメみたい。頼りっぱなしなんだもん」

京子「だからさ……これからも私を支えてくれないかな?」

綾乃「あ、え、う」

京子「……綾乃?」

綾乃「と、としの、きょ、こ、あの、それって、あの」

京子「……はっきり言わないとわからない? 精一杯の告白をしたつもりなんだけどなぁ」

綾乃「こ、っここ、くはくっ」

京子「綾乃。私、綾乃のことが好き。私と付き合ってほしい」

綾乃「な、な、なななな」ガクガク

京子「あや、の?」

綾乃「……」パタッ

京子「ちょ、ちょっと?」


116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:02:37.79

綾乃「うーん……」パチッ

京子「あ、目が覚めた?」

綾乃「としのう……きょーこ……? っ!」ガバッ

京子「うわっと! 危ないなー」

綾乃「い、今っ。ひ、ひひひ、ひざ、まくっ!」

京子「ああ、膝枕? 綾乃が急に倒れるんだもん。びっくりしちゃった」

綾乃「そ、そそそれに、あなたさっき、私に、その……こ、こくはっ!」

京子「うん。告白。綾乃のことが好きって」

綾乃「……ど、どうして?」

京子「うーん、好きになるのって理由がいる? 気付いたら気になってた……じゃ、ダメ?」

綾乃「わ、わわ私なんかを、その」

京子「綾乃は、私のこと……どう思ってる?」

綾乃「そ、それは、ほら……あの、えと」


119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:05:05.15

京子「ごまかしたって無駄だよ。みーんな気付いてることだから。もちろん私も、ね」

綾乃「あ、あわわ、あわ」

京子「ねえ、綾乃……」

綾乃「……と、歳納京子っ!」ダキッ

京子「わっ」

綾乃「気付いてるなら、それでいいじゃない……恥ずかしいわよ」

京子「それでも、私は綾乃の口から言ってほしい」

綾乃「……好きよ」ボソッ

京子「ありがと、綾乃。私も好き」ギュッ

綾乃「……うん」


123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:08:20.14

京子「綾乃、一つお願いしてもいい?」

綾乃「何かしら?」

京子「修学旅行の時にも言ったことなんだけど……」

綾乃「早く言いなさいってば」

京子「綾乃……キス、して?」

綾乃「……」

京子「綾乃?」

綾乃「そ、そんなことする余裕有馬温泉よ……」

京子「ふふっ。やっぱり綾乃は綾乃だ」

綾乃「な、なによぅ」

京子「なんでもなーい。さ、帰ろう」ニギッ

綾乃「ちょ、ちょっと、手……」

京子「これくらいはいいでしょー?」

綾乃「ま、まあ……いいわよ」プイッ

京子「もーっ。こっち見てってばー」


126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:11:33.78

夏休み 千歳の家

千歳「綾乃ちゃんが歳納さんと、めでたく結ばれて結構過ぎたなあ」

千歳「やっぱり、もうキスくらいはしとるんやろか……」

千歳「ああ……もしかしたらそれ以上のことも……」

千歳「夏は乙女を大胆にさせるからなあ……」ボタボタ

千鶴「姉さん……鼻血」

千歳「ああ、ありがとなあ」ネジネジ

千歳「綾乃ちゃんが歳納さんと付き合い始めてから、うちの鉄分がピンチやで」

千鶴「ヘム鉄のサプリ、また買っておく」

千歳「ありがとうな。千鶴は優しいなあ」ナデナデ

千鶴「///」


128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:13:59.88

数時間後 とある路上

千歳「さて、今日は綾乃ちゃんが歳納さんとデートする日やったな」

千歳「確か独自のルートで仕入れた情報によると……映画館に行くハズや」

千歳「映画館……暗い中……触れ合う手……映画そっちのけで始まるラブロマンス……」

千歳「こりゃ観察させていただかないと一生モノの損やで!」

千歳「さて、そうと決まったら今日も綾乃ちゃんの家の前で待ち伏せせなあかんな」

千歳「安心してや綾乃ちゃん。うちは傍観者や。何も手出しはせんで」グフフ

千歳「さて、次の角を曲がったら綾乃ちゃんの家や……っと。向こうから誰か来るみたいや」

あかり「♪~」テクテク

千歳「赤座さん。こんなところで奇遇やなあ」


130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:16:23.51

あかり「あ、池田先輩! こんにちは」

千歳「こんにちは。どこかにお出かけ?」

あかり「えっと、お散歩です。こんなに天気がいいから、お外歩きたいなあって」

千歳「ふふっ。赤座さんはかわいい趣味してるなあ」

あかり「えへへ……」

千歳「そうだ。もしよかったら、これからうちと一緒に行かへん?」

あかり「いいですよ。どこに行くんですか?」

千歳「とぉっても楽しいところや……そう、言うなればこの世のパラダイス……」キラキラ

あかり「?」

千歳「さあ、行くで! ちょうど仲間が欲しいなって思ってたところやねん」グッ

あかり「は、はい!」


133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:20:02.37

数時間後 映画館

千歳「うちは燃え尽きたで……」

あかり「あ、あの、もう鼻血は止まりましたから、しばらくすれば動けると思います」

千歳「うふふ……まさかキスまでするとは思わんかったわぁ。それも綾乃ちゃんから」

あかり「あかりの持ってきたポケットティッシュ、もうなくなっちゃったよう……」

千歳「危険を顧みず近くで観察してた甲斐があったってもんや」

あかり「あのー、杉浦先輩と京子ちゃん、出て行っちゃいますよ?」

千歳「いいんや。うちはもう満足したからな……ってか、フラフラして動けへん……」

あかり「わああっ! 池田せんぱーい!」


138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:22:57.19

数分後 ファミレス

千歳「さっきはごめんなぁ」

あかり「いえ、池田先輩が元気になって安心しました!」

千歳「お詫びに今日はおごるでー。なんでも食べてやー」

あかり「それは悪いですよう」

千歳「いいんや。それに……赤座さんには色々と聞きたいこともあるしなあ」ニヤリ

あかり「? ……まあ、そこまで言うのなら」

千歳「ウフフ……根掘り葉掘り聞き出すでえ……」

あかり「」ビクッ


140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:26:30.35

あかり「ごちそうさまでした!」

千歳「赤座さん、意外とよく食べるんやねえ」

あかり「はい! いっぱい食べて、早く大きくなりたいんです」

千歳「急いだらあかんよー。──それでな、赤座さん」

あかり「は、はい」

千歳「赤座さんは、歳納さんから何か、聞いてへん?」

あかり「何か、とは?」

千歳「それはな……綾乃ちゃんのことや」

あかり「杉浦先輩の?」

千歳「そうや。綾乃ちゃん恥ずかしがり屋でな、うちには歳納さんとのことを話してくれへんのよ」

千歳「でも赤座さんなら、歳納さんから何か聞いてるかも知れへんって思ったんや。どうなん?」

あかり「うーん……そういえば、何回か京子ちゃんがデートしてたって話を聞いたような」

千歳「ぜひ詳しく聞かせてほしいねん。眼鏡外す準備はできたで」

あかり「眼鏡はそのままでお願いします……えっと、先週部室で聞いた話なんですけど──」


142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:29:07.31

あかり「──それで、手をガッチリと繋いだみたいです。こう、指を組み合わせて」

千歳「そうなんかー……ああ、こんなに幸せな気分になったのは初めてやで……」タラー

あかり「わわわ、鼻血出てます! とりあえず、ペーパータオルを!」

千歳「綾乃ちゃん、もううちがいなくても平気やね……」ネジネジ

あかり「池田先輩?」

千歳「いいんや。うちは表舞台に出ることのない裏方。幸せな結末を見届けたら、人知れず立ち去るだけ」

千歳「綾乃ちゃんが幸せなら、それがうちの幸せにもなるんや……」

あかり「ど、どうしたんですか? 元気出してください!」

千歳「んー? うちはいつも通りやで。ただ、ちょっと心に穴が開いただけや」

あかり「それが元気ないって言うんです!」


144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:31:28.10

千歳「赤座さん……」

あかり「池田先輩は、ずっと杉浦先輩と一緒にいましたよね。だから、寂しいんじゃないですか?」

あかり「杉浦先輩を京子ちゃんに取られて……だから、二人のデートを見ているのも本当は」

千歳「赤座さんって、結構鋭いんやね。ビックリしたで」

あかり「あ……ごめんなさい! 言いすぎました!」

千歳「ううん、そんなことない。赤座さんの言う通りや。うち、寂しかったんやね」

あかり「池田先輩……」

千歳「なあ、赤座さん。もしよかったらでいいんやけど……」

あかり「はい」

千歳「もう少し、うちと一緒にいてくれへん?」

あかり「もちろん!」


146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:34:41.61

夜 カラオケボックス

千歳「ふぃー……いっぱい歌って気分もスッキリや」

あかり「池田先輩、歌お上手なんですね」

千歳「赤座さんも、かわいらしい声してるから思わず聞き惚れてしまったわぁ」

あかり「そ、そんなこと……」

千歳「ううん、そんな謙遜することないで。うちは赤座さんのこと、かわいいなって思うし」

あかり「は、はう」

千歳「ところで……赤座さんは、綾乃ちゃんと歳納さんとのこと、どう思ってるん?」

あかり「ど、どうとは?」

千歳「女の子同士で付き合うってことや」

あかり「ええっ! そ、それは……」


148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:36:45.25

千歳「うちはな、性別とかそんなん関係ないと思ってる」

あかり「……」

千歳「今日、デートしてる二人を見てて、何か思うところはなかったかなぁ?」

あかり「いえ、特に……仲良いんだなあって思いました」

千歳「じゃあ……うちのことは、どう思ってる?」

あかり「!」

千歳「うちはな、赤座さんと……もっと仲良くなりたいって思ってるんや」

千歳「それこそ、綾乃ちゃんと歳納さんのように」

あかり「……」

千歳「さっきファミレスで赤座さんに気持ちを指摘されてな、うち考えてたんよ。本当の気持ちを」

千歳「今日、道で偶然会った時も、うちは正直嬉しかった。だから誘ったんや」


149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:38:51.90

千歳「思い返せば、クリスマスにデートしたやろ? あの時から赤座さんのことが気になっててん」

千歳「なあ、赤座さん。気付かせたのは赤座さんやで」ズイッ

あかり「ひゃいっ!」

千歳「怖がらんで。別に乱暴しようってわけじゃないんや、ただ」

あかり「ご、ごめんなさい! あ、あの、そういうのはトラウマがあって……」

千歳「トラウマ?」

あかり「あっ……えと、その」

千歳「話したくなければいいんよ。ごめんな。うちもがっつき過ぎたわ」

あかり「いえ、いいんです。聞いてください。実は、ちなつちゃんに襲われたことがあって──」


154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:41:21.93

千歳「──なるほど。吉川さん、只者ではないと思ってたけどここまでとはなぁ」

あかり「だから、迫られると、少し怖いんです」

千歳「そうとは知らずに、悪いことしたなぁ」

あかり「わかってくださればいいんです。それに……」

千歳「それに?」

あかり「その、あんまり嫌な気持ちにならなかった、から……」

千歳「……」

あかり「……」

千歳「……」ギュッ

あかり「!」

千歳「どうや? 手を繋ぐくらいでもダメかな?」

あかり「いえ……池田先輩の手、すべすべで気持ちいいです」


155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:43:49.94

千歳「ふふっ。もっと触ってもいいんやで?」

あかり「む、無理ですよぅ……」

千歳「少しずつ、やっていこうや。急ぐことなんかあらへん」

あかり「池田先輩……」

千歳「うちが赤座さんを大事にしたる。だから、うちのことを」

あかり「……はい」ピトッ

千歳「赤座、さん?」

あかり「こうして甘えても、いいですか?」

千歳「当たり前や。好きな人に寄り付かれて嫌な人なんておらんよ」ナデナデ

あかり「ええへ……なんだか、不思議な感じです」

千歳「……あ、そうや。うち大変なポカやってもうた」

あかり「なんですか?」

千歳「赤座さん。告白の返事、うちまだ貰ってへんで?」


156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 15:46:18.69

あかり「……あの、言うのが恥ずかしいです」

千歳「うちだって恥ずかしかったんやで? だからおあいこや」

あかり「……私でよければ、お願いします」

千歳「ありがとうな。好きやで、赤座さん」

あかり「……はうぅ~」

千歳「なあ……キス、してみん?」

あかり「えっ?」

千歳「赤座さんのトラウマ、消してあげたいんや。だから」

あかり「で、でも! さっきは急ぐことないって」

千歳「赤座さんがかわいすぎて、そんなこと忘れたわぁ」

あかり「うわああん! 池田先輩めちゃくちゃですよぅ!」

千歳「うち、赤座さんともっと触れ合いたいんや。好きなんだからしゃあないで」

あかり「うう……優しく、してくださいね?」

千歳「大丈夫や。妄想トレーニングは欠かしたことないからな」

あかり「逆に安心できません……」


161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 16:00:18.10

千歳「……」

あかり「……」

千歳「……」チュッ

あかり「!」

千歳「……ど、どうだった?」

あかり「……すぐ離れたから、びっくりしました」

千歳「言ったやろ。大事にするって」

あかり「……もっと」

千歳「ん?」

あかり「……もっと、しても、いいですよ」


165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 16:02:54.43

千歳「ふふっ。やっぱり赤座さんはかわいいなぁ」

あかり「そ、そういうこと言われ慣れてないから、恥ずかしいです」

千歳「それなら、これからうちがいっぱい言ったる。こんなにかわいい子、他におらんで」

あかり「池田先輩も、その眼鏡似合っててかっこいいですよ」

千歳「……うん。確かに言われると恥ずかしいなぁ」

あかり「えへへ。池田先輩のいいところなら、もっと言えますよ。たとえばんむぐっ」

千歳「……」チュー

あかり「……」

千歳「……恥ずかしいこという口は、こうやで」

あかり「……キスって、こんなにいいものだったんですね」

千歳「そうや。幸せになれるんや。だから──」


167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 16:05:13.65

千歳「──これからも、いっぱいキスしような」ドバドバ

あかり「きゃああっ! いいところなのに物凄い量の鼻血があっ!」

千歳「あららー。今まで堪えてたんやけど、もう限界みたいやわぁ……」バタリ

あかり「し、しっかりしてください!」

千歳「あか、ざ、さん……じ、じんこう、こきゅうを……」

あかり「言ってる場合じゃないですよ!」

あかり「うわあああん! せっかく主人公っぽい展開だったのに、こんなオチなんて酷いよぉ!」



168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/18(日) 16:07:42.46

以上で終わりです
終わり際にさるさん食らったりしたけど、SSバージンをゆるゆりに捧げられて今は本望です

てなわけで……
愛読ありがとうございました!
>>1先生の次回作にご期待ください!


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■コメント

 [名無しさん]

俺今幸せだわ

 [名無しさん]

今回は千鶴大敗北や…

次回作期待してますん

 [名無しさん]

千歳×あかりとかww俺得。

 [名無しさん]

千歳×あかりね・・・
最高じゃねーの

 [名無しさん]

千歳×あかりとは珍しい。…最高ですた

 [名無しさん]

千歳×あかりのSS初めて見た。
そうか、そういう手もあったのか

 [名無しさん]

ひまさく
結ちな
京綾
千あか

この中では、ひまさくが1番好き。
でも本命は京結。綾乃死ね

 [名無しさん]

8人(+α)全員を穏便にくっ付けるにはどうするか
それがゆるゆり大問題

ちとあかか
ちなあかか
あかあか(+千千)か

個人的にはちなあかパターンの方が好き
ちとあかの方が総ダメージは少なそうだが
どうしても残り物同士の印象が拭えない
■コメント


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