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花子「櫻子とは、姉妹だけど」

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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:13:07.64 ID:S90lCxwJ0

――幕間――

楓「今日もいつもの日々が始まる」

楓「二人の仲は、悪くない。さりとて、一見、良くもない」

楓「互いに思い合うも、気付かない。それゆえ、そこに、距離がある」


楓「でも……」

撫子「気が短いからさ、長々と見てられないの」

撫子「二人ともにぶちんだから、いつまでたっても進展しないから」

撫子「……だから、藪の中を突っついてみる」

撫子「ヘビなんて、出てこないはずだから」

楓「……いいの? 撫子お姉ちゃん」

撫子「いいの。 ……自分で決めたこと」

楓「撫子お姉ちゃんの、本当に好きな人は――――


幕間 了



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:13:49.53 ID:S90lCxwJ0



※第一部
『花子「櫻子とは、姉妹だから」』
http://may841.blog9.fc2.com/blog-entry-468.html





3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:14:04.68 ID:S90lCxwJ0

――大室家の朝――


花子「……」モグモグ

花子(今日もいつもの朝)

花子(起きて、顔を洗う)

花子(牛乳を飲んで、パンを食べて、牛乳を飲んで)

花子「……んくっ」ゴクン

花子(櫻子がまだ寝てる……いつもの朝)


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:14:43.26 ID:S90lCxwJ0

――古谷家の朝――


向日葵「ふぁぁ……」ネムネム

楓「お姉ちゃん、おはようなの」

向日葵「楓……おはよ……」ムニャ

楓「朝ごはんできてるの」

向日葵「ありがと……」

楓「遊園地、たのしかったの……」

向日葵「はふぅ……ん、楓……? ……あぁ、遊園地、良かったですわね」

楓「また、いきたいの……。こんどは、おっきくなったら!」

向日葵「そうですわね……乗れるものが少ないと、寂しいですものね」


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:15:42.33 ID:S90lCxwJ0

楓「でも、撫子お姉ちゃんがいっしょにいてくれたからへいきだったの!」

向日葵「また今度、お礼しませんとね」

楓「うん!」

向日葵「みんなでお出かけも、楽しいですわ」

楓「櫻子お姉ちゃんと、花子お姉ちゃんも楽しそうだったの!」

向日葵「ん……」ピク

向日葵(櫻子と……花子ちゃん)

楓「? おねえ、ちゃん……?」

向日葵(つい、助言のようなものをしてしまいましたけど……)

向日葵(まぁ、これっきりですわ)

向日葵「……」

向日葵「櫻子、今日はちゃんと起きれてるかしら……」

楓「?」


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:17:26.10 ID:S90lCxwJ0


…………。

……。




7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:19:18.99 ID:S90lCxwJ0

ガチャ
向日葵「いってきますわ」

向日葵「さて……」

   花子「いってきます」
   撫子「てきます」

向日葵「あら?」

撫子「おや」

花子「ひま子お姉ちゃん」

向日葵「おはようございます、撫子さん、花子ちゃん」

花子「おはよ」

撫子「おはよう、今日も可愛いね、ひま子」

向日葵「!?」


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:21:06.25 ID:S90lCxwJ0

向日葵「なな、撫子さんなにを゛っ!?」

花子「な、撫子お姉ちゃん……?」

撫子「……なーんてね。あ、櫻子だったら、さっき起きたとこだから」

向日葵「あぁ、冗談ですのね……。 では、私は失礼して中に」

花子「……お願い、だし」

向日葵「花子ちゃん……」

花子「別に、いつもひま子お姉ちゃんがやってることだし」プイッ

撫子「ほらいくよ花子。じゃあひま子も、お願いね」

向日葵「えぇ、お二人も気をつけていってらっしゃいませ」
ガチャ
   向日葵「櫻子~、準備できてますの~」テクテク


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:22:44.65 ID:S90lCxwJ0

撫子「……可愛いのは、ほんとだけどね」ボソッ

花子「撫子お姉ちゃん?」

撫子「いやなんでもないよ、いこうか」

花子(なんだか、心晴れたような、ふっきれたような、そんな顔してるし……?)

撫子「……」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:23:33.00 ID:S90lCxwJ0

――???――

―――ほんとうに、ほんとうにそれでいいの?

当たり前。二人とも、可愛い妹だから。

でも、撫子お姉ちゃんも……。

……花子が居なかったら、櫻子は向日葵を選ぶ。最初から私に道は無いから。

……大人なの。

……大人だからな。


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:24:21.09 ID:S90lCxwJ0




――第二部――

櫻子「花子とは、姉妹だけど」






16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:26:05.32 ID:S90lCxwJ0

ガチャ
向日葵「おはよう櫻子、準備はどう……」

櫻子「え」

向日葵「……着替え中とは、失礼いたしましたわ」ススッ

櫻子「ちょっ、何事もなかったかのように去るなぁ!!」


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:27:24.60 ID:S90lCxwJ0

櫻子「まったく、急に入ってきて……」

向日葵「……ついいつものくせで」

櫻子「私だって起きるときは起きる!」

向日葵「今日だって別に早くはありませんけれど」

向日葵「でも、起きていると知ってたのですから、ノックぐらいすべきでしたわね。ごめんなさい」

櫻子「そうだよ……ってあれ? 知ってたの? なんで? エスパー?」

向日葵「撫子さんにお聞きしたんですの」

櫻子「あー、ねーちゃん……あれ、ねーちゃんと花子もういないの!?」

向日葵「もうそんな時間ですからね……」

櫻子「ちょ、や、やべーじゃん!!」

向日葵「だからそうだと言いましたわ」

櫻子「言ってないよ!」

向日葵「言いましたわ!」

櫻子「それより早く!!」

向日葵「こっちのセリフですわ!!」

19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:29:02.11 ID:S90lCxwJ0

――通学路――


撫子「てくてく」

花子「……」テトテト

撫子「ん? どうしたの花子、じっと見てきて」

花子「撫子お姉ちゃん、なにかいいことあった?」

撫子「……そう?」

花子「なんか、晴れ晴れとしてるし」

撫子「……そうかもね」

花子「?」

撫子「作戦決行は、今日かな……」ボソッ

花子「??」


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:30:29.75 ID:S90lCxwJ0

撫子「善は急げって言うよね」

花子「へ? う、うん」

撫子「花子、歩きながらでいいから、ちょっと話そうか。聞いて?」

花子「うん……?」

花子(どうしたんだろう、撫子お姉ちゃん)

撫子(さぁて、と……)

撫子「花子、って今、……好きな人、いる?」

花子「!」

撫子「……」

花子「な、なに急に言うんだし!」

撫子「じー……」

花子「うっ」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:32:36.83 ID:S90lCxwJ0

花子(い、いきなりなにを……)

花子(でもこれ、撫子お姉ちゃんの機嫌がいいことと、関係あるのかな……?)

花子「……」

撫子「……」

花子「……」ボソッ

撫子「……」

花子「いる、し……」

撫子「……うん」


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:34:20.71 ID:S90lCxwJ0

花子「いや、でも、その、好きーっていうか、気になってるだけっていうか」

花子「ちょっとだけだし、近いだけのバカが、ときどきちょっと優しいだけっていうか……」モジモジ

撫子「最後のほうは独り言になってるな……花子」

花子「ひぁ!? な、なんだし!?」

撫子「……叶うと、いいね」

花子「う、うん」

撫子「……」

花子(……? いったい、なにがあったんだろ……)

撫子「さ、花子はそろそろつくね。 ……また夜に」

花子「お、お姉ちゃんも、いってらっしゃいだし……」


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:35:27.15 ID:S90lCxwJ0

――七森中1年2組教室――


櫻子「おっはよー!」

向日葵「おはようございます」

ちなつ「おはよう二人とも。やっぱり『昔からの友達』は伊達じゃないね……あ」

櫻子「?」



――放課後――


ちなつ「―――っという間に放課後になっちゃった」

向日葵「!?」

京子「ちなつちゃーん! あ rー! 部活いこー!!」

結衣「お邪魔します……京子はほんと唐突だな」

ちなつ「結衣先輩……! わざわざ迎えに来てくださるなんて……! チーナ、どこまでもお付き合いいたします!!」

櫻子「へ? へ?」

向日葵「颯爽と行ってしまいましたわ……」


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:38:21.46 ID:S90lCxwJ0

向日葵「とりあえず、私たちも生徒会に」

櫻子「あーちょっと、まって向日葵」

向日葵「……なに? 櫻子」

櫻子(そ、そうだよね、友達……だったら、相談とか……できるよね)

向日葵「……あなた、先週もあまり生徒会来れなかったのですし」

櫻子「あ、あのさ!」

向日葵「……」

向日葵(『希望はあるはず』……ふふ、誰の言でしたかしら)

向日葵「わかっていますわ」

櫻子「へ?」

向日葵(夢は、たやすく叶うものではない、と)

向日葵「相談事……でしょう? 手短に済ませますわよ」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:39:46.04 ID:S90lCxwJ0

櫻子「あ、うん、そうなんだけど……よくわかったね」

向日葵「ふふ、曲がりなりにも、幼馴染ですわよ」

櫻子「うん……いつもは憎たらしいけど、こういうときは、頼もしい」

向日葵「そうですわね……」

櫻子「うーんと、その」

向日葵「ちょっと場所、うつしましょうか」

櫻子「あ、うん……あ! で、でも生徒会は」

向日葵「『大事な用があって、私と櫻子は行けない』……メールしておきますわ」

櫻子「ごめん、付きあわせた上に、なにからなにまで……」

向日葵「ふふ、いつもそうやって素直だったらいいのですけどね」

櫻子「なっ!? な、なにをー!」

向日葵「元気が出たところで行きますわよ。 ……公園でいいですわね」

櫻子「……うん、任せる」


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:40:15.19 ID:S90lCxwJ0



…………。

……。





28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:41:57.64 ID:S90lCxwJ0

向日葵「この辺り、でしょうか」

櫻子「……」

向日葵「ちょっと、冷えるかしら……もう秋ですからね」

櫻子「そう、だね……」

向日葵「身体冷やさないように、手早く……櫻子? 寒かったら言いなさいね」

櫻子「ん、だいじょぶ……」

向日葵「……」


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:43:18.45 ID:S90lCxwJ0

向日葵「遊園地」

櫻子「え?」

向日葵「遊園地……楽しかったですわね」

櫻子「あ、あぁ、こないだのね……うん、すごい楽しかった」

向日葵「撫子さんには感謝ですわね」

櫻子「福引であてるなんて、聞いたことないよ」

向日葵「……あなた、福引とかしたことあって?」

櫻子「な!? わ、私だって晩ご飯の買いだしとかいくし!」

向日葵「ふーん……?」

櫻子「ま、まぁ福引券とか、もらってもねーちゃんとかにあげるけどさ……」

向日葵「ふふっ」

櫻子「な、なに笑ってんだ向日葵のくせにー!」


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:46:03.27 ID:S90lCxwJ0

向日葵「いえ、……ただ、櫻子はやっぱり、元気なほうがいいなって思いまして」

櫻子「な゛!?」

向日葵「ふふ……」

櫻子「ぐぬぬ……」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「向日葵は、すごいね」

向日葵「……」

櫻子「私の緊張をほぐして、自然と話しやすい雰囲気をつくって、じっと待ってくれてる……」

向日葵「……買いかぶりすぎですわ」

櫻子「ううん、わかるもん。 ……すぅー、はぁー……」

向日葵「……」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:48:10.69 ID:S90lCxwJ0

櫻子「えっと……、なんていったらいいんだろね」

向日葵「少しずつ、自分のペースで、思ったままを話せばいいですわ」

櫻子「ありがと……うん、でも、わかんないってのが、わかんないんだよね」

櫻子「人の気持ちって、わかんない」

櫻子「えっとさ……あれなんだよね、ちょっと、気になる子がいる、って……いうかさ」

向日葵「……っ」

櫻子「でも私、ほんとそういうの疎くてさ」

櫻子「どうしたらいいかわかんないよ」

櫻子「何をすればいいのか、何を言えばいいのか」

櫻子「いやでもたぶん、きっと……ぐす、たぶんね、はは、無理……なんだと思うよ」


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:51:08.45 ID:S90lCxwJ0

向日葵「さく、らこ……」

櫻子「嫌われては、いないと……さ、思うんだけど」

櫻子「あーでも、このままでもいいのかなー、とか」

櫻子「最近はそんなことも思うんだよね……」

櫻子「私、バカだから。 ……もともと人の考えてることとか、よくわかんないけど」

櫻子「その子のことは、とびきり。 ……もう、壊れちゃいそう」

向日葵「櫻子……あなたは」ガシッ

櫻子「なぁに向日葵……肩でも揉んでくれるの? 正面から? ふふふっ」

向日葵「あなたは、弱くないですわ」

櫻子「……」


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:53:52.05 ID:S90lCxwJ0

向日葵「別に、強くもありませんけど」

櫻子「なんだよ、それ……」

向日葵「まぁ普通の女の子ってことですわよ」

向日葵「だから、相手の気持ちが少しくらいわからなくても、おかしくありませんわ」

向日葵「むしろ、そのくらいでしり込みするだなんて、櫻子らしくないですわよ」

向日葵「櫻子は、何も考えずに引っ張っていってくれるところが、魅力なのですから」

櫻子「向日葵……」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:55:19.04 ID:S90lCxwJ0

櫻子「向日葵って、私のこと、ほんとよくわかってるね」

向日葵「幼馴染ですから。 ……今まで、ずっと見てきましたから」

櫻子「……私のこと、こんな、理解してくれて……もう、私、ひま」

向日葵「ストップ! ……それ以上言うと、その口ふさぎますわよ」

櫻子「向日葵……?」

向日葵「あなたも、……そしてあの子も、度胸もですが観察眼もたりませんわね」

櫻子「……」


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 21:58:20.89 ID:S90lCxwJ0

向日葵「あなたは猪突猛進がいいところなんですから」

向日葵「相手も自分のことが好きなんだーくらいに突撃してみなさいな」

向日葵「もしそうでなくても、自分のことを好きにさせるくらいに、アタックしなさいな」

向日葵「……ふふ、それでもダメだったら、そのときは、わたくし、が……」ボソッ

櫻子「向日葵……?」

向日葵「いえ、なんでもありませんわ」

櫻子「でも、ありがとう。 ……あ」

向日葵「……ねぇ」

櫻子「『あの子』って、向日葵、もしか……なに?」


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:01:06.06 ID:S90lCxwJ0

向日葵「わたくしが櫻子のことを想っていたら、どうしますの?」

櫻子「…………え?」

向日葵「……っ。 ふぅ、なんでも……ありませんわ」

櫻子「ひ、ま……?」

向日葵「そうですわね、あなたとあの子。もしも、もしもの話ですわ……」

櫻子「……うん。」

向日葵「例えばの話ですけれども、仮に、わたくしがそうであったならば」

櫻子「……」

向日葵「櫻子の立場ならば」

櫻子「……」

向日葵「女同士、実の姉妹……禁断の関係の二重苦ですわね」

櫻子「……っ」


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:03:52.40 ID:S90lCxwJ0

向日葵「でも、わたくしだったら……ためらいませんわ」

櫻子「……え?」

向日葵「想いを告げることに、躊躇いたしません。」

櫻子「……うん」

向日葵「嫌われるかもしれない、離れてしまうかもしれない」

櫻子「……うん……」

向日葵「怖いですわよね。 ……でも、自分の好いた相手を過小評価しすぎではありませんか?」

櫻子「……どういうこと?」

向日葵「花子ちゃんは、確かにまだ小さいですけれど……立派に女の子してますわ」

櫻子「……花子、が?」


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:07:32.60 ID:S90lCxwJ0

向日葵「きっと想いを真摯に受け止めて、自分の想いを、伝えてくれる」

櫻子「……」

向日葵「ふふ、そうであると、願いますわ……ねぇ、櫻子」

櫻子「なに?」

向日葵「好きですわ」

櫻子「……向日葵?」

向日葵「あなたのこと、ずっと、好きでしたの、わたくし」

櫻子「……えっと」

向日葵「ふふ、愚かなのは、わたくしですわね……ごめんなさい、花子ちゃんが待っているのでしょう?」

櫻子「ま、待って!」

向日葵「いいん……ですの、ごめんなさい、勝手なことを言って」

櫻子「だ、だから、行かないで!」

向日葵「こんな顔! 櫻子に、櫻子にだけは、見せたくありませんの……!」


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:12:41.58 ID:S90lCxwJ0

櫻子「……向日葵は勝手だよ」

向日葵「……え?」

櫻子「向日葵こそ、私を過小評価してるんじゃないの? なめないでよ!」

向日葵「……そ、それは」

櫻子「勝手に言って! 突然なんだ! しかも逃げ出そうとするし!」

向日葵「……」

櫻子「私の返事くらい、聞けよ……」

向日葵「……それは、いい返事、ですの……?」

櫻子「………………それは」

向日葵「ごめんなさい、変なことを言って……いいですわ。櫻子が受け止めてくれたように、わたくし……も、櫻子を、受け入れます」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:13:36.15 ID:S90lCxwJ0

櫻子「じゃあ……えっと、私は、向日葵のこと、すっごい大切な友達だと想っている」

向日葵「……私も、ですわ」

櫻子「あとは……えっと、えっと……」

向日葵「……」

櫻子「……クッキー……おいしい……」

向日葵「……ぷっ」

櫻子「な!? わ、笑うなぁ!」

向日葵「だって……だって……くすくす」プルプル

櫻子「くそ、せっかく人が真剣に……!」

向日葵「ありがとう櫻子」

櫻子「考えているのに……って、え? なんでお礼?」

向日葵「やっぱり、そこが櫻子の、私が好きになった女の子のいいところですわ」


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:15:17.86 ID:S90lCxwJ0

櫻子「あ、うん……どうも?」

向日葵「櫻子は、櫻子のまま、いきなさい」

櫻子「……」

向日葵「大丈夫ですわ、なにがあっても、私たちは、ずっと友達ですから」

櫻子「……ごめん」

向日葵「謝ることないでしょう? ほら、今日は花子ちゃんに会いに行くこと、いい?」

櫻子「……うん」

向日葵「それと、風邪ひかないように、帰ったらきちんと暖かくすること、わかった?」

櫻子「わかってるよ……」

向日葵「じゃあ、行きなさい。 ……また明日」

櫻子「うん、……ありがとね、今日は」

向日葵「気にしないで。 ……次の宿題は一人でやってもらいましょうかね」

櫻子「ふふ……それくらい楽勝だし……じゃ」

向日葵「えぇ」


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:15:35.90 ID:S90lCxwJ0



向日葵「さよなら、さーちゃん……」





48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:17:40.27 ID:S90lCxwJ0

――???――


楓「でも、大変だよ? くっつけるだけじゃ……」

撫子「……私も、あぶれ者だから」

楓「……」

撫子「あの子も、大人だよ」

撫子「好きな子の幸せを願って、傷を舐めあうくらい、できるでしょ」

撫子「ふふ……」

楓「撫子お姉ちゃん、あんまり無理しないでほしいの」

撫子「大丈夫。もともと、わかってる。寂しくも、なんとも、ない……」


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:20:21.21 ID:S90lCxwJ0

帰り道。ひとりみち。
頭の中、ぐるぐる。

「……」ポケー

何も考えていない、なにもみていない。

「……」

足取りも、遅く。ゆっくりと、世界が流れていく。

「……あ」

着いた。

「……ん」ゴク

頭がぐるぐるしても、幸い、身体はまっすぐ家に向かっていたらしい。

「……ただいま!」

できるだけ、自然に。意識、しないように。


…………。

……。



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:23:10.06 ID:S90lCxwJ0

櫻子「ごちそうさま!」

花子「ごちそうさまだし」

撫子「お粗末様」

櫻子(よし、誰がどうみても普段の私!)

櫻子(なんだか、向日葵と話したおかげで)

櫻子(自分自身のことももっと理解できた気がする……)

櫻子「ふふん、こんにちは、賢い私!」

花子「……バカがいるし」

撫子「……」

撫子(櫻子も、なにかあったみたいだね……)

撫子「好機、か」

花子「?」


51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:25:42.96 ID:S90lCxwJ0

撫子「さて、突然ですが、家族会議を始めます」

櫻子「会議ー? なんだなんだ」

花子「3人でいいの?」

花子(……)

撫子「うん。櫻子と、花子も、そこ座って」

花子(朝のこととか、撫子お姉ちゃんの態度とか)

櫻子「ねーちゃんの向かい? ……で、花子が私の隣?」

撫子「そうそう。 ……特に意味があるわけじゃないけどね」

花子(関係……ないよね)

櫻子「花子ー?」

花子(関係ない関係ない関係ない……)

櫻子「?」

撫子「……。 さて」


53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:27:23.66 ID:S90lCxwJ0

撫子「会議っていってもかたくならないでいいよ」

撫子「二三、質問をするだけだから」

撫子「まずは……花子」

花子「!」ビクッ

撫子「……勘付いてるかもしれないけど、花子、正直に答えてほしい」

櫻子「?」


54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:28:57.21 ID:S90lCxwJ0



撫子「櫻子のこと……どう想っている?」



櫻子「……………………え?」

花子「……………………!!」





55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:30:37.33 ID:S90lCxwJ0

花子「え、あ、や……」

撫子「花子」

花子「! あ、と、特に、なんとも想ってないし!!」

櫻子「!!」

撫子「花子」

花子「う、うそじゃ、ないし……」

撫子「花子は……櫻子のことがす―――

花子「イヤ!!!!」

花子「やだ!やだ!! ……やめて!!」

撫子「……花子、さく―――

花子「ダメなの!! 花子、花子……!」

花子「……っ」ダッ

撫子「あ、花子!」


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:32:44.37 ID:S90lCxwJ0

バタン!! タタタ......バタン!

撫子「……」

櫻子「……」

撫子「……」

櫻子「……」

撫子「……」

櫻子「……」


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:35:17.12 ID:S90lCxwJ0

撫子「……部屋」

櫻子「ね、ねーちゃん……」

撫子「こもっちゃったみたい、だね」

櫻子「いったい、急に、何を……」

撫子「……はぁ」

撫子(性急すぎた? ……仕方ない、まずは櫻子を)


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:36:52.71 ID:S90lCxwJ0

――花子の部屋――


花子「うっ、うぅっ……!」ガクガク

花子「だめ、だめなの……」

花子「さくら、さ……っらこにぃ、ばれちゃ、だめなのぉ……」

花子「壊したくない……壊したくない……」

花子「だめだから、だめなんだから……」

花子「この、距離を……失いたく……ないの……!!」

花子「うっ……あぁ、うわぁぁぁん!」

花子「うぅっ、ひっく、うっく……」


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:40:02.01 ID:S90lCxwJ0

撫子「櫻子」

櫻子「……」

撫子「正直に……答えてほしい」

撫子「花子のこと……どう想っている?」

櫻子「……いきなりなんだよ」

撫子「……」

櫻子「花子のこと……どうしたいんだよ、ねーちゃん」

撫子「花子のこと、どう想っている?」

櫻子「くっ……」


60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:41:26.49 ID:S90lCxwJ0

櫻子「……」

撫子「……今日帰ってきたとき」

櫻子「……なに」

撫子「いい顔してたよ、あんた」

櫻子「……そう」

撫子「なにか、あったんでしょ? 自分の気持ちを再確認するような、なにか」

櫻子「……っ」

撫子「あんた、嘘はヘタなんだから」

櫻子「私のことはいいよ! 今は、花子のことだよ……」

撫子「……花子のこと、どう想っている?」


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:44:27.81 ID:S90lCxwJ0

櫻子「……ぶれないね」

撫子「……それだけの覚悟を、私も決めているから」

櫻子「……隠せないね」

撫子「……もう、わかってるから」

櫻子「そっか……」


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:45:34.10 ID:S90lCxwJ0

撫子「花子のこと……好きなんでしょ」

櫻子「私は……花子のことが好き」

撫子「……」

櫻子「姉妹だから、違うと思ってた」

櫻子「私より小さい妹を、可愛がっているだけ」

櫻子「妹だから、子どもだから」

櫻子「だから、可愛いと、思うだけ」

櫻子「それだけ、なんだと、そう思い込もうとしてた……」


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:47:35.44 ID:S90lCxwJ0

櫻子「でも、ダメだなぁ」

櫻子「ダメなお姉ちゃんだよ」

櫻子「隠せようもなく、否定できようもなく……」

櫻子「いつもぶっきらぼうで、生意気で」

櫻子「私と違って優秀で、よっぽど女の子らしく」

櫻子「ときどき……優しい」

櫻子「そんな花子と、ずっと一緒にいたいんだもん……」

撫子「……そうだね」

櫻子「花子のことが、こんなにも好きなんだもん……」


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:49:26.70 ID:S90lCxwJ0

撫子「……」

櫻子「……」

撫子「……」

櫻子「……ねーちゃんも、ありがとね」

撫子「……別に」

櫻子「今日、さ……向日葵にも、勇気付けられちゃったんだ」

撫子「……うん」

櫻子「私、ちょっと臆病だった」

櫻子「怖いから、自分の気持ちに、目を背けてた」

櫻子「でも、私は、自分の気持ちに気付けた。 ……だから」

撫子「櫻子が、いましなきゃいけないことは」

櫻子「私、いってくるよ」

撫子「私も、ダメなお姉ちゃんで、ごめん。花子を、頼んだ」

櫻子「うし! 笑顔の花子を連れて帰ってくるから、任せて!!」


66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:51:52.56 ID:S90lCxwJ0

――花子の部屋――


花子「ひっく……ひっく……」

花子「……」

花子(もう、いっそ、このまま……)

コンコン

花子「!」

花子(だ、だれ……?)

   「あ……あーあー、……えっと、櫻子……だけど」

花子「!!」

   「えっと……花子? 起きてるかな……?」

花子「」ワタワタ

花子(え、あ、ちょ、さく、なんで、はなこ、どうして)

   「……入るよ?」

花子「!?」


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:53:32.22 ID:S90lCxwJ0

ガチャ
櫻子「おじゃましまー……」

花子「」アタフタ

櫻子「花子? 寝て……」

櫻子(……ないか。 布団にくるまってるけど、すごいわたわたしてる)

櫻子「…………そのままでいいよ」

花子「!」

櫻子「そのままでいいから……聞いて」

花子「……」


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:55:19.62 ID:S90lCxwJ0

櫻子「はは、お姉ちゃん、ちょっと情けないね」

櫻子「すごい、声、震えてるし……」

櫻子「……でも、どんな結果になっても後悔しないから」

櫻子「こわいし、足ガクガクだし、めまいもするけど……」

櫻子「でも、聞いて」

櫻子「わたし、櫻子だから」

櫻子「バカで、考えなしの、まっすぐ進むしかとりえの無い櫻子の想いを」

櫻子「ダメなお姉ちゃんだけど、……花子に、私の想いを伝えたいから」

櫻子「だから、聞いて」


70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 22:57:10.36 ID:S90lCxwJ0

櫻子「すぅー……」

花子「……」

櫻子「はぁー……」

花子「……」

櫻子「……」

花子「……」

櫻子「すぅー……、はぁ……」





櫻子「私、花子のことが、好き」






72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:01:29.62 ID:S90lCxwJ0

―――その後のことは、あんまり覚えていない。

次の日は、いつもより早く目が覚めた。

居間にいくと、まだねーちゃんしか起きてなかった。
花子よりも先に起きてきたことにねーちゃんはとても驚いてて。

そんなねーちゃんが、終始ニヤニヤしてたから、ちょっと昨日のことを聞いてみた。

ねーちゃんによると、私が花子の部屋にいってからしばらく。
ドアが開いた音にねーちゃんが振り向くと。おずおずと花子が覗いていたらしい。

私も、花子も、赤い目をして。

でも、幸せそうに。

ねーちゃんも泣いてきちゃって、三人抱き合っての大団円だったとか。

朝ごはんの準備をしつつそんなことを話していたら、花子も起きてきた。
案の定……いや違う、なんでかわからないけど花子もすっごいびっくりしてた。
まったく、この姉と妹は……。

でも、朝一番に私を見て、微笑んでいる花子を見ていたら、どうでもよくなってきて……。

櫻子「花子、おはよう!」

花子「うん……櫻子、おはよう!」


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:02:40.23 ID:S90lCxwJ0




昨日の記憶は、少しあやふやだけど、しっかりと覚えていることもある。




『花子も、櫻子のこと、大好きだからっ!!』



なんだか、そんな声が耳の奥でまだ響いているようで。

今日も、いい一日になりそう。



74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:06:31.14 ID:S90lCxwJ0

――エピローグ――


向日葵「櫻子が……花子ちゃんよりも、先に起きた?」

撫子「そうなんだよ……」

向日葵「……ありえませんわ!!」

楓「……うぅ」ガクブル

櫻子「ひでぇー!!」

花子「そうだよ、櫻子だってやるときはやるんだし」

櫻子「は、花子ぉー!」パァー

撫子「……おあついことで」

向日葵「櫻子……よかったですわね」

楓「楓も一安心なの!」

櫻子「おまえらっ!?」

花子「えへへ……」

櫻子「花子まで!? あーもうかわいいなぁもう!」


75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:08:53.02 ID:S90lCxwJ0

撫子「先週も、こんな感じでみんなで登校したね」

向日葵「こんな短いスパンで奇跡が連続するなんて、空恐ろしいですわ」

楓「奇跡は、起こらないから奇跡っていうの!」

向日葵「楓?」

楓「だからこれは、奇跡じゃなくて櫻子お姉ちゃんの頑張りの結果なの!」

櫻子「楓……いいこというな! よし、なでてやる!」

楓「えへへ……ありがとうなの!」

花子「……」ムッスー

撫子「花子が妬いてる……」

向日葵「あらあら」


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:11:06.04 ID:S90lCxwJ0

向日葵「あ、そういえば撫子さん」

撫子「ん? なに、ひま子」

楓「そ、そうなの、撫子お姉ちゃん!」

撫子「楓まで……どしたの」

向日葵「いえ、この間の遊園地のお礼を、と思いまして」

楓「楓も、すっごく撫子お姉ちゃんのお世話になったの!」

撫子「あぁ、別にそのことならいいのに……」

向日葵「いえ、そういうわけにも……」

楓「帰りも、おんぶしてもらったって後でお姉ちゃんに聞いたの」

撫子「途中から櫻子に代わったけどね」

楓「それでも、ありがとうなの!」

向日葵「わたくしからも、ありがとうですわ」


77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:12:57.05 ID:S90lCxwJ0

撫子「こう……改めていわれるとちょっと恥ずかしいね」

向日葵「いえ、……これといったお礼ができなくて申し訳ないのですが」

撫子「気にしないで……いや、もし気になるんなら、今度デートでもする?」

向日葵「ででっ!?」

櫻子「デート!?」

花子「……ふぁ?」

楓「でーとなの!」


78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:15:56.00 ID:S90lCxwJ0

櫻子「ちょちょ、ちょっと向日葵ほんとにねーちゃんとデートするの!?」ブンブン

向日葵「そっ、んな……ゆすらない、でっ!」

撫子「はっはっは」

櫻子「ちょっと向日葵聞いてるの!? ひーまーわーりー!!」ブンブン

向日葵「だか、らっ……落ち着きな―――

ゲスッ!

向日葵「さ、い……? あ、は、花子ちゃん」

楓「ナイスローなの!」

櫻子「げっふぅ……」

花子「ふんだ」


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:19:00.84 ID:S90lCxwJ0

撫子「たまには、こういう賑やかな登校風景もいいね」

向日葵「撫子さん、騒がせた張本人ですわよ……」

撫子「まぁ、ね。 じゃ、ひま子、デートの件、考えといてよ」

向日葵「……本気でしたの?」

撫子「ふふ、ひま子も、いろいろ語りたいこととか、あるでしょ?」

向日葵「!! ……是非、お付き合いいたしますわ」

櫻子「ひまっ!? ―――げふっ!?」

花子「ふーんだ」

櫻子「え、えへへ……痛いけど、花子のやきもちが、嬉しいよ」

花子「!? ち、ちちちち、ちがうしっ!!」

楓「今日も平和なの!」


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:20:42.98 ID:S90lCxwJ0

――七森中1年2組教室――


櫻子「おっはー!」

ちなつ「おはよう二人とも! 今日は早いんだね」

向日葵「おはようございます吉川さん…………に、赤座さん」

あかり「おはようみんな! あかりはここにいるよ!!」

櫻子「今日もいい朝だね!」キラッ

あかり「うわー、櫻子ちゃん今朝は早いだけじゃなく機嫌もいいんだね!」

櫻子「へっへー、わかる!? わかっちゃう!?」

ちなつ「向日葵ちゃんとなにかあったのかな!?」

向日葵「別になにもありませんわ。 ……ただ、長年の思いが叶っただけですのよ」

櫻子「えへへー」

あかり「え、向日葵ちゃんじゃ、ないんだ……?」

ちなつ「むむー?」


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:23:33.82 ID:S90lCxwJ0

――放課後――


櫻子「よっし放課後だ!」

あかり「今日は一日テンション高かったね……」

ちなつ「こういう日もある、よね……」

京子「だよねー」

向日葵「と、歳納先輩!?」

京子「てへっ」

あかり「京子ちゃんに結衣ちゃん!? なんであかりたちのクラスに?」

結衣「いや、私にもわからん……」

京子「ふっふーん、このリボンセンサーが恋する乙女の電波を受信したのだ!」

ちなつ「なんですかそれ……インチキ霊感商法でもはじめるんですか?」

向日葵「あら……随分と感度の良いセンサーですのね」

結衣「!?」


84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:26:55.17 ID:S90lCxwJ0

京子「だっろー!?」

あかり「え、え?」

ちなつ「へ? どうなってるんですか?」

櫻子「えへへ……」

結衣「……大室さん?」

京子「じゃあちっぱいちゃんにはまた今度話をきくことにするよ!」ビシッ

櫻子「了解しました歳納先輩!」ビシッ

向日葵「ほんと、そっくりですのね……」

あかり「あ、あかり全然ついていけてないよぉ~!?」

ちなつ「とりあえず、私たちも敬礼しときますか……?」

結衣「……いや、いいよ。同類と思われたくない……」


85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:29:36.62 ID:S90lCxwJ0

向日葵「……さて、櫻子」

櫻子「なんじゃらほい」

向日葵「なんですのそれ……えっと、赤座さんたちも行ってしまいましたけど」

櫻子「ほい」

向日葵「……明日は来るんですのよ」

櫻子「……ごめん向日葵」

向日葵「昨日の今日ですけれども、杉浦先輩達には言っておきますから」

櫻子「何から何まで」

向日葵「もう慣れっこですわ」

櫻子「さすが私!」

向日葵「調子に乗らない」

櫻子「えへへ」


86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:32:27.49 ID:S90lCxwJ0

向日葵「まったく……今日はなんですの」

櫻子「ん、晩ご飯」

向日葵「晩ご飯? ……えーっと、また二人で作るんですの?」

櫻子「その通り! さすが向日葵!」

向日葵「櫻子の思考を読むのも疲れましたわ……」


88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:36:12.32 ID:S90lCxwJ0

櫻子「あれだね、リベンジーってやつだね」

向日葵「そういえば前に作ったときは、ちゃんとできましたの?」

櫻子「うーん…………うまかったよ!」

向日葵「なんですのその間は……」

櫻子「味は、調理実習で向日葵と作ったときの方がよかったけどさ」

向日葵「はいはい、花子ちゃんといっしょに作ったから美味しかった楽しかったー」

櫻子「花子といっしょに……もう向日葵の妖怪先読み!」

向日葵「はいはい……じゃあお互い時間もあまりないことですし」

櫻子「ん、またね」

向日葵「また明日」

櫻子「杉浦先輩たちによろしく……あと、ありがと、向日葵」

向日葵「はいはい」

櫻子「むー……」


89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:39:10.09 ID:S90lCxwJ0



櫻子「あ、ちっぱいって……どういうこと!?」

向日葵「いまごろ!?」





91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:41:43.39 ID:S90lCxwJ0

花子「……」

花子(櫻子、もうちょっとかな……)

   「……じゃないもんきらいじゃないも~ん……」

花子(あ、この歌……)クルッ

櫻子「……よっ、花子」

花子「櫻子……お疲れ様」

櫻子「ん、花子も」


92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:43:46.41 ID:S90lCxwJ0

花子「……」ジッ

櫻子「……?」キョトン

花子「……」ジーッ

櫻子「……えへへ」

花子「ふふ」


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:46:09.04 ID:S90lCxwJ0

花子(幸せ、だし……!)

櫻子「幸せだねぇ……」

花子「! ……そうだし! あたりまえだし!」

櫻子「もっと早く、伝えてもよかったかもね」

花子「……どうだろ」

櫻子「……今までの日々全てが宝物、って?」

花子「櫻子キザい……そこまで、思ってないけど」

櫻子「まーいいじゃんいいじゃん。それより」

花子「ん」スッ

櫻子「! いこっか!」ギュッ

花子「ん!」ギュッ

櫻子「えへへ……花子の手、ちっこいけどあったかい」

花子「櫻子も……あったかい、よ?」

櫻子「だっろー?」

花子「だし!」


95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:49:29.88 ID:S90lCxwJ0

イラッシャイマセー

櫻子「おっかいっものー、おっかいっものー」

花子「テンション高いし」

櫻子「はっなこっといっしょっにおっかいっもの~!」

花子「……それはテンションあがっても仕方ないし」

櫻子「だっろぉー!?」

花子「はいはい」


96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:51:29.21 ID:S90lCxwJ0

櫻子「じゃあ、お買い物メモだけど……」

花子「?」

櫻子「前と同じく、向日葵のメールなんだが……やきもちやくなよ?」

花子「……あ、そうだ、わらび餅、買ってくし」

櫻子「いまモチの話してたっけ!?」


97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:54:00.18 ID:S90lCxwJ0

アリガトーザーシター

櫻子「んしょ……っと、じゃあ帰ろうか」

花子「あの、櫻子……」

櫻子「ん? なーに?」

花子「えっと……重くない?」

櫻子「だいじょーぶー」

花子「でも、花子も少し持つよ?」

櫻子「えー? 袋ひとつだし、へーきだって!」

花子「むむ……えいっ」

櫻子「わわっと……おー? ひとつの袋をふたりで持つって?」

花子「こうすれば、花子も手伝えるし……」

櫻子「それに、手もつなげるし?」

花子「……ばか」


98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:55:50.87 ID:S90lCxwJ0

…………。

……。


向日葵「ふぅ、今日はちょっと帰りが遅くなってしまいましたわね」

向日葵「急いでご飯作らないと……ってあら? 櫻子の家の前にいるのは……」

撫子「……あ、ひま子か」

向日葵「どうしたんですか一体。中、入れないんですか?」

撫子「……」

向日葵「……撫子さん?」

撫子「あいつら……二人仲良くおててつないで帰ってきたよ」

向日葵「……あぁ」

撫子「今も、二人仲良くお料理してて、逃げ出してきた……」

向日葵「それはそれは……」


101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/03(土) 23:59:33.92 ID:S90lCxwJ0

楓「でもそれも全部撫子お姉ちゃんが望んだことなの!」

向日葵「あら、楓?」

撫子「楓か……いやでもあいつら、思ってたよりも破壊力あってさ……」

向日葵「?」

楓「櫻子お姉ちゃんと花子お姉ちゃんがくっついたのは、撫子お姉ちゃんのさくりゃくなの!」

向日葵「へ?」

撫子「いやまぁ、私はちょっとけしかけただけで……あ、ひま子もだからね」

向日葵「へ? わ、わたくし……が?」

撫子「櫻子の相談にのってあげたんでしょ? あれもいいパンチになった」

向日葵「あ、そ、そうでしたの……」

向日葵(……もう塩を送るつもりはなかったはずが……決定的なことを?)

向日葵「あ、あはは……」

楓「大丈夫なの! 櫻子お姉ちゃんはずっと一緒にいてくれるの!」

撫子「ふふ、ただ、一番になれないだけさ……」


102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:01:13.62 ID:K0Y4HDKK0

   「あれー? ねーちゃーん、どこいったー!?」
   「ごはん、できたしー!」

撫子「おや……」

向日葵「ほら、撫子さん、呼んでますわよ」

撫子「またあの空間に戻らなきゃいけないのか……」

楓「大丈夫なの! すっかり忘れられてふたりで食べはじめてるよりマシなの!」

向日葵「……同じ家って、大変ですのね」

撫子「じゃあひま子、デートの件はまた連絡するから」

向日葵「……え? あ、あぁ、そうですわね」

撫子「……忘れてた?」

向日葵「そ、そんなことありませんわ!」

撫子「ひどいなぁ……まぁいいけど」


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:01:57.12 ID:K0Y4HDKK0

ガチャ
櫻子「あ、ねーちゃんいるじゃん」

花子「なんで外に……あれ、楓と、ひま子お姉ちゃん」

撫子「ん、わざわざ悪いね」

櫻子「いいけど……向日葵、いま帰り?」

向日葵「えぇ。 ……礼も謝罪も、不要ですからね」

櫻子「ん」

花子「……櫻子を花子につき合わせたから、ひま子お姉ちゃんのお仕事増えちゃったの?」

楓「お姉ちゃんが自分で選んだことだから、大丈夫なの!」

向日葵「楓!? ……まぁ、その通りですけれど」

撫子「愚妹がいつも迷惑かけるね」

向日葵「慣れっこですので」

花子「櫻子、今度から迷惑かけるなら、花子にするといいし!」

櫻子「わたし、どんだけダメキャラなんだよ……」


105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:05:03.45 ID:K0Y4HDKK0

撫子「じゃあ、そろそろ戻るね」

楓「また明日なの!」

向日葵「楓も、すぐにご飯作りますから」

撫子「あ、作っといた」

向日葵「!?」

楓「楓もお手伝いしたの!」

撫子「相変わらずひま子の味には及ばないだろうけど、そこは勘弁して」

向日葵「いえそんな! ……ありがとうございます」

撫子「じゃあそういうことだから。 ……このヘタレ妹が、また味見しろってうるさいし」ガシッ

櫻子「むぎゅ」

花子「またね」

向日葵「おやすみなさい」


106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:07:58.55 ID:K0Y4HDKK0


…………。

……。


向日葵「で、なんで私の部屋にいるんですの」

櫻子「えへへ」

花子「お、お邪魔します」

向日葵「まったく……櫻子、頬がゆるみすぎですわよ」

櫻子「ほっぺたむにむに」ムニムニ

花子「やわらかいし!」ムニムニ

向日葵「……わざわざ私の部屋でイチャつくとか、追い出しますわよ?」


107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:11:12.06 ID:K0Y4HDKK0

花子「ちょっと、ひま子お姉ちゃんと話したくて」

向日葵「……花子ちゃんが?」

櫻子「だよー」

向日葵「なんで櫻子も?」

櫻子「なんとなくついてきた」

向日葵「お話の内容は?」

櫻子「知らないけど」

向日葵「……」

花子「べ、べつに、櫻子がいても問題ないし!」


109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:14:10.81 ID:K0Y4HDKK0



――――ふすまの向こう――――

撫子「いきなり全面戦争とか」

楓「撫子お姉ちゃんのご飯おいしかったの!」

撫子「……それはどうも」

――――――――――――――





110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:16:36.35 ID:K0Y4HDKK0

向日葵「それで、花子ちゃん、お話って?」

花子「えと……」

向日葵「こんなわざわざ改まって……」

櫻子「ふぁー……向日葵の机でもあさるかー……」

花子「その……」

向日葵「なぁに?」

櫻子「あ、宿題でてたんだっけ」


111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:19:14.61 ID:K0Y4HDKK0

花子「ひま子お姉ちゃんが知ってる……」

向日葵「えぇ」

花子「櫻子のことを、教えてほしいの!」

向日葵「」

櫻子「向日葵ー、このノート借りてくねー」

花子「櫻子のこと、花子の知らない櫻子のこと、もっと知りたくて……」

向日葵「」




向日葵「帰れ」





112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:21:25.05 ID:K0Y4HDKK0

櫻子「さぶいっ!!」

花子「追い出されちゃったし……」

櫻子「うぅ、ノートも剥ぎ取られた……」

花子「……っくしゅ」

櫻子「だいじょぶ? ……隣だけど、もっと着込めばよかったね」

花子「だいじょぶだし……」

櫻子「帰ったらすぐ、お風呂はいろっか」

花子「……うん」


114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:24:28.87 ID:K0Y4HDKK0

カポーン

花子「……」

櫻子「あ゛~……、あったけー……」

花子「……」

櫻子「風呂は日本の心だぁ゛~……」

花子「……え?」

櫻子「んー……? どしたー」

花子「いや、なんでいるし!?」

櫻子「ん、ついてきた」

花子「つ、ついてきたって、ここお風呂だしっ!!」


115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:26:39.27 ID:K0Y4HDKK0

櫻子「いいじゃーん、私ら……恋人、なんだし」

花子「!!!」ボンッ

櫻子「おぉぅ、花子ゆでだこみたいだぞ……」

花子「お風呂のせいだしっ!!!」

櫻子「はいはい、お風呂で興奮するとのぼせるぞー」

花子「もう、びっくりだし……  し?」

櫻子「うっふーん」クネクネ

花子「……………………し?」

櫻子「興奮、する?」

花子「櫻子もうちょっと向こう行ってくれないと湯船がせまいし」

櫻子「スルー!?」


117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:30:25.76 ID:K0Y4HDKK0

花子(ふぅ……それにしても、なんだかんだでひま子お姉ちゃん)

櫻子「……」サワサワ

花子「いつもいいアシスト……って、櫻子?」

櫻子「やっぱ……いいなぁ……」サワサワ

花子「……くすぐったいし」

櫻子「花子の髪、やっぱきれいだよね」

花子「ありがと……この間触ってきたときは、濡れてないか確かめるためとか言ってたけど?」

櫻子「い゛っ!? あ、あれは……」

花子「ふふっ、冗談だしっ♪」


118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:33:44.15 ID:K0Y4HDKK0


撫子「……」

撫子「ずずーっ……」

撫子「茶が、うまい……。日本の、心だな……」

撫子「……」

撫子「咳をしてもひとり」

楓「……どんまいなの!」




120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:36:41.16 ID:K0Y4HDKK0

――週末――


花子「ふぁぁ……」

撫子「おはよ、花子」

花子「おはよう、撫子お姉ちゃん」

花子(櫻子と恋人になって初めてのお休み)

花子(今週は、あれから櫻子は生徒会のお仕事が忙しくて)

花子(あまりお話できない日がつづいた……)

撫子「花子は休みの日も早くて偉いね」

花子「そんなこと、ないし……」


122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:41:59.55 ID:K0Y4HDKK0

花子(せっかくのお休みだけど……)

花子「櫻子、忙しいもんね……」ボソッ

撫子「それにしても、花子と良い感じになってから、あいつも朝に強くなったな……」

花子「はぁ……。   え?」

   「よっしできたー!」

撫子「その上自分からみんなの分の朝ごはんをつくるとは、殊勝だね」

花子「……!」

櫻子「おー、花子も起きたねー! へっへー、お姉ちゃん特製朝ごはんだよ!」

花子「やったぁ!」

櫻子「!? す、素直によろこぶ花子、かわいい……」

撫子「パンうめぇ」


123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:44:39.65 ID:K0Y4HDKK0

櫻子「もぐもぐ……それでさ、花子」

花子「ふぁに……ごくん、なに、櫻子」

櫻子「今日さ、なんか、予定、ある?」

花子「! な、ないけど……?」

撫子「パンうめぇ」

櫻子「そ、そう……だったらさ、その、どっか行かない?」

花子「!! そ、それって……デート?」

櫻子「う、うん……いや、かな?」

花子「そ、そんなことないし!! いく! ぜったいいく!!」



撫子「……」モグモグ

撫子「ごくん」

撫子「パンうめぇ」


125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:46:41.94 ID:K0Y4HDKK0



撫子「じゃあ二人とも気をつけて。遅くならないうちに帰ってくるんだよ」

櫻子「おう! じゃあ花子、いこっか」ギュッ

花子「うん!」ギューッ



撫子「……ひま子んとこでも、いくかぁ」





128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:50:30.95 ID:K0Y4HDKK0

――公園――


櫻子「ごめんね花子、この前が遊園地だから、見劣りするかもしれないけど」

花子「ううん、花子は公園でも楽しいし」

花子(櫻子が、いるから……)

花子(櫻子は、いつも楽しいをくれる)

櫻子「ありがと。 ……私も、花子がいるから、楽しいよ!」

花子「は、花子もだし……」

花子(櫻子は、いつも花子を引っ張ってくれる)

花子(花子が恥ずかしがって言えないようなことでも)

花子(櫻子が、花子と同じことを思っていて、それを口に出してくれるから)


129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:54:07.77 ID:K0Y4HDKK0

櫻子「花子~、えへへ~……」

花子(すごく、居心地が良い)

花子(櫻子の隣にいることができて、すごくしあわせ)

櫻子「花子~? どしたー?」

花子(……でも、引っ張ってもらうだけじゃ、ダメだよね)

花子「ねぇ、櫻子」

櫻子「なぁに?」


130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:54:23.26 ID:K0Y4HDKK0






花子「櫻子……大好きだよ!」

チュッ








132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 00:58:42.51 ID:K0Y4HDKK0

櫻子「え……?」

花子「えへへ……花子からのプレゼントだし!」

櫻子「ま、まったくもう……!」

花子「櫻子、ゆでだこみたいになってるよ?」

櫻子「花子っ!? ……まったくはしゃいじゃって、子どもだなぁ」

花子「それはお互い様だし~」

櫻子「……ふふっ」

花子「あははっ!」

櫻子「私、花子の笑顔、好き」

花子「……花子が思いっきり笑えるのは、大好きな相手がいるからだし」

櫻子「遊園地ほど豪華じゃないって、心配だったけど」

花子「櫻子がいるから」

櫻子「花子がいるから」

相手が居るから。相手と想いあっていれば、それがどこでも一番の場所。


133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:03:26.28 ID:K0Y4HDKK0

「花子がいれば、それだけで輝く」

「櫻子がいれば、それが花子にとってのユートピア」



「花子……ずっと一緒だからね」

「それは……私たちが姉妹だから?」

「姉妹だったら……こんなことできる?」

チュッ

「姉妹だけど……こういうことしちゃうし」

チュッ

「えへへ……」

「ふふふ……」



「「大好き」」




135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:07:00.19 ID:K0Y4HDKK0

――大室家の朝――


花子「櫻子……今日はまだ起きてないね」

撫子「まったく、改善したかと思ったけど、一週間しかもたなかったか」

花子「……ごくん」

花子(また、いつもの朝がはじまった)

花子(花子が、牛乳を飲んで、パンを食べて、牛乳を飲んで)

花子(それでも、櫻子はまだ起きてなくて)

撫子「はぁ……まぁ私じゃ起こせないし、いいけど」

花子(撫子お姉ちゃんがぼやく、いつもの朝)

撫子「やっぱり月曜日って手強いのかね」


136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:10:27.79 ID:K0Y4HDKK0

花子「……んくっ」ゴクン

花子「よいしょっと」ガタッ

撫子「あれ? 花子?」

花子「花子……起こしてくるし!」

撫子「……健闘を祈る」

花子「いってきます!」


137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:13:01.74 ID:K0Y4HDKK0

――櫻子の部屋――


ガチャ
花子「櫻子……?」ソローリ

櫻子「くかー、くかー」

花子「……寝てる」

櫻子「むにゃむにゃ……」

花子「すっかり熟睡だし……」

花子「んしょ……」

花子「さ、さくらこー……」ユサユサ


139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:15:41.56 ID:K0Y4HDKK0



   「おはようございまーす……」

   「おはよ」

   「あの、今日は……」

   「……」

   「いつも通り、ですか」

   「さっき、あの子が向かったけど」

   「へぇ……。 では、ちょっと私も」

   「じゃあちょっと付いていこうかな」




140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:17:51.07 ID:K0Y4HDKK0

花子「さくらこー?」ユサユサ

櫻子「むにゃ……」

花子「あさー、あさだよー……」ペチペチ

櫻子「ふに……」

花子「むむ……なかなか起きない」

花子「月曜日よりも、手強いし……!」

花子「さくらこー? 朝ごはん食べて学校いくよー?」ペシペシ

花子「……」

花子「は、はなこだよー……」

花子(は、恥ずかしい……でも、これなら)

櫻子「……」

花子「……」ドキドキ

櫻子「……すぴー、すぴー……」


142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:20:37.99 ID:K0Y4HDKK0

花子「くっ……!」

花子「次は、もうちょっと強めに―――



ガチャ



向日葵「ほら櫻子、朝ですわよ!」

花子「」

櫻子「むにゃ……うぅ~ん、ひまわり……?」

花子「」









花子「∵」


143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:23:11.51 ID:K0Y4HDKK0

撫子「……あっちゃー」

櫻子「ふぁぁ……もう朝か……」

向日葵「まったく、櫻子ったらだらしがないですわね」

花子「」

櫻子「なんだよひまわり朝から……ふにゃ」

撫子「……退散してよう」

櫻子「ふぁぁ……あれ、花子?」

花子「」

櫻子「おはよー花子……花子?」

花子「」


144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:26:28.64 ID:K0Y4HDKK0

花子「うっ、うぅ……!」

櫻子「はなこさーん? あれ?あれ?」

花子「うー! うぅーー!!」ポカポカ

櫻子「いたっ、いた! なんで殴られてるの私!?」

花子「ばか! さくらこのばか! ばかばかばかばかばか!!」ポカポカ

向日葵「……ふふん」

花子「!!」


146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:29:11.63 ID:K0Y4HDKK0

向日葵「花子ちゃんは、やはり少々修行が足りないようですね……?」

花子「ひま子、お姉ちゃん……!」ギリッ

櫻子「え? え? ……ええぇぇ?」

向日葵「やっぱり、わたくし! 古谷向日葵が! 櫻子の隣にいないと……ダメみたいですわね!」

花子「そんなことないし!」

向日葵「あら? この間は『花子の知らない櫻子を教えて』ときましわよね?」

花子「!!」

向日葵「それってつまり、私が花子ちゃんの知らない櫻子を知っているって、認めたわけですわよね?」

花子「ぐぬぬ……!」


147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:33:12.70 ID:K0Y4HDKK0

向日葵「ま、そんなわけで―――

花子「…………し」

向日葵「…………なんて?」

花子「花子だって……」

向日葵「……」

花子「花子だって、ひま子お姉ちゃんの知らない櫻子をいっぱいしってるし!!!」

向日葵「!!」

櫻子「え、え」


149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:35:55.27 ID:K0Y4HDKK0

向日葵「べ、べつに花子ちゃんの知っている分なんて、たいしたこと……」

花子「この間だってお風呂一緒に入ったし!」

向日葵「! お、おふろくらい、わたくしだって、昔は……」

花子「それに……」ニヤリ

向日葵「……なに?」

花子「花子は、櫻子と、ちゅーだってしたんだから!!!」

向日葵「!!!!」

櫻子「ちょ、は、はな、花子!?」


150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:36:15.39 ID:K0Y4HDKK0

向日葵「ちゅ、ちゅーくらい、わたくしだって、わたくしだって……!!」ワナワナ

花子「!?」

櫻子「は!? なに言っちゃってんの向日葵!?」

花子「櫻子っ!?」キッ

櫻子「ひぃっ!? は、花子さんに捧げたアレが私のファーストキッスですぅ!!」

向日葵「ねぇ櫻子!!」

櫻子「は、はいぃ!!」




チュゥゥ




花子「」


151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:41:39.98 ID:K0Y4HDKK0



櫻子「」

花子「」

向日葵「ふふ……しちゃいました、しちゃいましたわ……」

櫻子「」

花子「」

向日葵「ついに、ついに……」





152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:43:37.88 ID:K0Y4HDKK0

花子「」ハッ

花子「ひ、ひま子お姉ちゃん!? なにするんだしっ!!」

向日葵「ふふん、ちゅーだってした、でしたっけ?」

花子「!!」

向日葵「私も、たった今済ませましたけど?」

花子「ううぅぅぅ……!!」

花子「櫻子!!」

櫻子「へっ!? あ、は、はい!」


ムッチュウゥゥゥゥウウゥゥ




153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:45:49.69 ID:K0Y4HDKK0

向日葵「……あなた方、姉妹のくせに」

花子「ひま子お姉ちゃんだって、女の子同士だし!」

向日葵「花子ちゃん……、どうやら、これからもライバルみたいですわね……!」

花子「花子なんてもう恋人だし!!」

向日葵「あら? その関係が一生続くとでも?」

花子「続くし! すっごいすっごい大切にするし! 離さないし!!」



向日葵・花子「ぐぬぬぬぬ……!」

櫻子「」


154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:49:12.13 ID:K0Y4HDKK0

―――でも、こういうドタバタもいいかもしれないし。

花子が、壊れちゃうのがこわかったのは、……櫻子とのことだけじゃない。

距離を変えて崩れることが怖かったのは、

……櫻子と、花子と、ひま子お姉ちゃんと、撫子お姉ちゃんと、楓と。

みんなの、仲良しな関係だったから。

だから、ひま子お姉ちゃんと、こうして言い争っているのも。

…………案外悪くないと、思ったりも、しちゃったり。



花子「絶対に、そんなこと言ったりしないけど!!」


155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/04(日) 01:49:51.42 ID:K0Y4HDKK0



花子「櫻子とは、姉妹だけど」  櫻子「花子とは、姉妹だけど」


――完――













撫子「ひま子……大人だと思ったんだけど」

楓「撫子お姉ちゃん心配しないでっ ちょっとくらいぼっちでも生きていけるよっ」

撫子「…………パンうめぇ」



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■コメント

 [ゆりゆりな名無しさん]

撫子さん・゚・(ノД`;)・゚・

 [名無しさん]

撫子さんは彼女いるでしょ!

 [名無し]

やっぱり大室家と古谷家の家族ぐるみの付き合いっていいよね

 [気になる名無しさん]

それにしてもパンうめぇ
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